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土壌微生物によって駆動される地球化学的な有機硫黄循環機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05018
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

越智 杏奈  立命館大学, 生命科学部, 助教 (60542339)

研究分担者 青野 陸  立命館大学, 生命科学部, 助教 (80777938)
井上 真男  立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (90906976)
三原 久明  立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324693)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードトリメチルスルホニウム / ジメチルスルフィド / 硫黄循環 / 土壌細菌 / C1資化 / C1化合物
研究開始時の研究の概要

硫黄は生命の必須元素であり、生命活動によって陸海空を循環し、地球規模の気候変動や生態系の構築と崩壊に関与する。海洋においては微生物代謝が硫黄循環を大きく駆動するが、陸上における研究例は極めて少ない。研究代表者等が土壌より単離した新種細菌は、動物が排泄するTMSを単一炭素源として資化・生育し、硫黄循環の鍵となるDMSを大気中に放出する。このことは本菌が有する新奇代謝経路が陸圏生態系において有機態硫黄の循環を駆動し、環境の潤滑油として機能するのではないか?という新たな仮説を提示する。本研究では、土壌細菌のTMS資化経路が陸上-大気硫黄循環の鍵となる可能性を考え、そのメカニズムを解明する。

研究実績の概要

令和5年度は「土壌微生物によるトリメチルスルホニウム(TMS)分解を介したジメチルセレニド (DMS) 生成機構」を明らかとすることを目的とし、TMS資化性細菌 Aminobacter sp. m3株のTMS資化に関与する遺伝子クラスターの機能解析を行った。
TMS資化遺伝子クラスターの鍵酵素であるTMS-THFメチル基転移酵素のリコンビナント酵素を精製し、TMSやトリメチルセレノニウム (TMSe)、ジメチルスルホンプロピオン酸 (DMSP)やその他 C1化合物からのTHFメチル基転移活性を評価し、基質特異性を調べた。その結果、本酵素はTMSe、TMS、DMSPに活性を示した一方、トリメチルアミン (TMA)やテトラメチルアンモニウム (TMAH)には活性を示さなかった。また、AlphaFold2による予測構造から基質結合および活性に関係しそうなアミノ酸残基を選定、変異を導入し、活性測定を行った。その結果、4つの変異体においてTMSに対する活性が失われたことから、本酵素のメチル基転移に重要な部位を特定することができた。

さらに、遺伝子クラスター内に存在する2つの転写因子のリコンビナント酵素のうち、リプレッサーと予想される転写因子のリコンビナント酵素を精製し、結合配列やエフェクター分子を調べた。その結果、本転写因子はTMS資化遺伝子クラスターのプロモーター領域に結合し、TMSおよびTMSeで結合が解除されるが、TMAでは解除されないことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画通り、TMS資化性細菌 Aminobacter sp. m3株のTMS資化に関与する遺伝子クラスターの機能解析を行った。これまでの成果は、令和5年度に3つの国内学会および1つの国際学会で報告した。

今後の研究の推進方策

TMS-THFメチル基転移酵素の結晶構造解析を行い、得られた結晶構造より基質結合および活性に重要な残基を調べ、反応メカニズムを推定する。
2つの転写因子のリコンビナント酵素を精製し、それぞれの結合部位や制御機構を調べることにより、TMS資化遺伝子クラスターがどのように制御されているのかを明らかとする。
Aminobacter sp. m3をTMS、TMA、もしくはGlucoseを単一炭素源として培養した場合について発現変動解析を行い、TMS資化に関わる経遺伝子およびその経路とメカニズムを明らかとする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Se循環に関わる新奇トリメチルセレノニウムメチル基転移酵素TmsAの基質特異性2024

    • 著者名/発表者名
      曽羽香南子 , 越智杏奈 , 井上真男 , 青野陸 , 佐藤総一 , 小椋康光 , 三原久明
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒト尿中セレン解毒代謝産物トリメチルセレノニウムの資化を担う細菌酵素2024

    • 著者名/発表者名
      曽羽香南子 , 越智杏奈 , 井上真男 , 青野陸 , 佐藤総一 , 小椋康光 , 三原久明
    • 学会等名
      第7回日本セレン研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Molecular Mechanism in Microbial Degradation of Trimethylselenonium2023

    • 著者名/発表者名
      Masao Inoue, Anna Ochi, Togo Uchida, Ryota Kayaba, Chinatsu Terabe, Mai Tanaka, Riku Aono, Soichi Sato, Yasumitsu Ogra, Hisaaki Mihara
    • 学会等名
      Se2023 (The 9th International Selenium Conference, focused on Selenium in Chemistry, Biology and Medicine)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Aminobacter属細菌に見出したトリメチルセレノニウム脱メチル化酵素の遺伝子発現制御および基質特異性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      越智杏奈 , 内田透梧 , 萱場亮太 , 高野将光 , 井上真男 , 寺部千夏 , 田中麻衣 , 青野陸 , 佐藤総一 , 小椋康光 , 三原久明
    • 学会等名
      日本ビタミン学会第75回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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