研究課題/領域番号 |
23K05045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
赤澤 真一 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (60379550)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミミズ / 宿主 / 細胞株 / 細胞培養 / モデル生物 / Eisenia / 毒性試験 |
研究開始時の研究の概要 |
動物を用いた化学物質の毒性試験は規制される傾向にある.そこで,環境汚染物質の動物試験の代替として,世界経済協力機構(OECD)が急性及び慢性生態毒性試験におけるモデル生物として認定した,ミミズの体腔細胞を用いた重金属毒性試験法が次世代法として研究されている.しかし,現状は細胞株(無限増殖し不死化した細胞)が樹立されていないため,1)毎回細胞を採取する必要がある,2)採取細胞数の再現性が低い,3)体腔細胞は微生物汚染が発生しやすい,という欠点があり普及するには至っていない.そこで,ミミズ細胞株を樹立し,細胞を用いた土壌汚染物質評価法の実現を目指す.
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研究実績の概要 |
【研究概要】動物を用いた化学物質の毒性試験は規制される傾向にある.そこで,環境汚染物質の動物試験の代替として,経済協力開発機構(OECD)が急性及び慢性生態毒性試験におけるモデル生物として認定した,ミミズの体腔細胞を用いた重金属毒性試験法が次世代法として研究されている(Irizar, A. et al. Ecotoxicology. 23:1326-1335 (2014)).しかし,現状は細胞株(無限増殖し不死化した細胞)が樹立されていないため,1)毎回細胞を採取する必要がある,2)採取細胞数の再現性が低い,3)体腔細胞は微生物汚染が発生しやすい,という欠点があり普及するには至っていない.そこで,申請者が有しているミミズ細胞培養・長期保存技術の知見を生かし,【項目1】ミミズ初代培養細胞を取得し,【項目2】初代培養細胞から細胞株(ガン化細胞)を樹立,最後に,【項目3】樹立した細胞株を用いた重金属毒性試験法を開発する.これにより世界初のミミズ細胞株を用いた土壌汚染物質評価法が実現を目指した.令和5年度はこの内,項目1に注力し,体腔細胞が増殖する条件を検討した. 【結果と考察】8種類の培地を用い,さらにCO2供給の有無により,効率よく体腔細胞が増殖する条件を検討した.その結果,体腔細胞において,DMEM培地を用いてCO2供給を無しとした場合に,最高生存率96~198%とバラツキはあるものの増加傾向を示した.さらに約1ヶ月後の生存率も初期値の91%と最も高かった.しかしながら継続して増殖する条件は見いだせておらず,今後は本培地を用いて温度やミミズエキス添加による増色効果を検討する予定である. 【業績】学会発表1件,特許1件(今年度取得.出願は別年度)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
継続的に体腔細胞が増殖する条件を見いだせてはいないが,様々な培地を検討したことで一時的に細胞が増殖する条件を見いだす事に成功した.培養温度条件の検討にも着手しており,条件設定後はミミズエキス添加効果について検証していく予定となっており,計画通り推移している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,ミミズエキス等を用いて引き続き体腔細胞の増殖条件を検討していくと共に,項目2のガン化細胞の作製にも着手する.UVによる50%致死条件を調べた後,決定した条件を用いて変異を誘発しガン化細胞を採取可能か検討する.また,幼体からの増殖細胞の取得を目指し,体腔細胞で見出した培地等を用いてまずは安定に培養できる条件を解明する.以上より,細胞が分裂増殖する条件を引き続き検討していく.
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