研究課題/領域番号 |
23K05060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
谷森 紳治 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (50207198)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 有機溶媒フリー / キナゾリン誘導体 / ヨウ素触媒 / 水溶媒 / 三成分連結反応 / 複素環化合物 / グリーンケミストリー / 持続可能性 / 水中反応 / 持続可能性・環境調和 / 医農薬・天然物ビルディングブロック |
研究開始時の研究の概要 |
本申請は、精製操作を含めて有機溶媒を使用しない、水を唯一の溶媒とした各種複素環化合物などの合成法を開発する。水中でのアリール塩化スルホニルとヒドラジンの反応によるスルホノヒドラジドの合成、ヒドラジンとイソシアナ―トの付加反応によるカルボキサミドならびにカルボチオアミドの合成、2―イソチオシアナト安息香酸メチルとアミン類の反応によるキナゾリノン誘導体の合成、o-フェニレンジアミンとアセチレンジカルボン酸エステル、続くイソシアナートの反応によるジヒドロキノキサリノン誘導体のワンポット3成分連結型合成、サリチルアルデヒドとβ―ニトロスチレンの縮合によるクロメンの不斉合成を検討する。
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研究実績の概要 |
本年度は、水中下スルホニルヒドラジドの 有機溶媒フリー合成法の開発を行った。これは、塩化スルホニルをヒドラジンと水中下反応させるもので、生成物を収率良く得ることが出来た。従来法では、塩化メチレンのような有機溶媒を用いる方法が主流であったが、水に置き換えることで、有機溶媒の削減につながった.この成果は、日本農芸化学会2023年度大会にて研究成果の発表を行った。さらに、Tetrahedron Green Chemistry (Elsevier)誌に「 Organic solvent-free synthesis of sulfonyl hydrazides in water」のタイトルで論文発表を行った。 また、2ーイソチオシアナト安息香酸メチルとアミン類の反応による2-チオキソ-4-キナゾリノンの、水中下簡便な合成法の開発にも成功した。溶媒を水に置き換えることで、安価、安全かつ持続可能な合成法の開発を行った。研究成果は、「Green Synthesis of 2-Thioxo-4-quinazolinone Derivatives in Water」のタイトルで、ChemistrySelect誌に掲載された。 本年度の新たな展開としては、2ーイソチオシアナト安息香酸メチルと2ーアミノフェノールならびにベンゾイルヒドラジンの反応で得られるキナゾリノン体に対して、ヨウ素を触媒に用いた環化反応を適用し、オキサゾロキナゾリノンや、オキサジアゾロキナゾリノンを水中下簡便に合成する方法を見出した。研究成果は、「ヨウ素を触媒に用いたキナゾリン誘導体の水中下有機溶媒フリー合成法」のタイトルにて、日本農芸化学会2024年度大会で発表を行った. その他、イシシアナートとヒドラジンの水中下での反応によるセミカルバジドの合成や、三成分連結反応による水中下1,4-ジヒドロピリジン誘導体の合成についても成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、水中下スルホニルヒドラジドの 有機溶媒フリー合成法の開発を達成し、その成果について日本農芸化学会2023年度大会にて研究成果の発表を行った。さらに、グリーンケミストリー分野において著名な雑誌の1つであるTetrahedron Green Chemistry (Elsevier)誌に「 Organic solvent-free synthesis of sulfonyl hydrazides in water」のタイトルで論文発表を行うことが出来た。 また、2ーイソチオシアナト安息香酸メチルとアミン類の反応による2-チオキソ-4-キナゾリノンの、水中下簡便な合成法の開発にも成功した。この研究成果は、「Green Synthesis of 2-Thioxo-4-quinazolinone Derivatives in Water」のタイトルで、ChemistrySelect誌に掲載された。 本年度の新たな展開としては、2ーイソチオシアナト安息香酸メチルと2ーアミノフェノールならびにベンゾイルヒドラジンの反応で得られるキナゾリノン体に対して、ヨウ素を触媒に用いた環化反応を適用し、オキサゾロキナゾリノンや、オキサジアゾロキナゾリノンを水中下簡便に合成する方法を見出すことが出来た。研究成果は、「ヨウ素を触媒に用いたキナゾリン誘導体の水中下有機溶媒フリー合成法」のタイトルにて、日本農芸化学会2024年度大会で発表を行った。これらの結果は近いうち学術論文にまとめる予定である。 その他、イシシアナートとヒドラジンの水中下での反応によるセミカルバジドの合成や、三成分連結反応による水中下1,4-ジヒドロピリジン誘導体の合成についても成功した。これらの結果も学術論文にまとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、水中反応の更なる応用拡大のため、すでに一部で前例が知られているが、銅やパラジウムなどを用いる遷移金属触媒反応の水中での実施の一般性の検証、天然物合成に用いられるビルディングブロックの合成の検討、いまだ実施例の知られていない水中での連続4成分連結反応に挑戦する。また得られた生成物群のケミカルライブラリーとしての整備を行って行きたい.
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