研究課題/領域番号 |
23K05061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
佐藤 浩輔 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (70415686)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 核酸化学 / 核酸ータンパク質相互作用 / ヌクレオシド / 核酸医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では包括的に核酸-タンパク質相互作用を阻害できる新たなコンセプトを提供するために、芳香族求核置換反応を用いる汎用性の高い核酸-タンパク質相互作用阻害法の開発を行う。これまでに開発してきた核酸によるDNA cytosine-5-methyltransferase(DNMT)阻害法を一般的な核酸-タンパク質相互作用阻害法へ拡張するために多くの核酸-タンパク質相互作用で核酸のリン酸部近傍に存在するLysやArg残基と共有結合する架橋ヌクレオシドを設計・合成し、新規の核酸-タンパク質相互作用阻害剤の創製を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では核酸-タンパク質相互作用部位の近傍に存在するLysやArg残基と架橋可能な新規架橋ヌクレオシドを創製し、DNAへ位置選択的に導入後、モデル標的タンパク質として転写因子であるSTAT3、HIF-1との架橋反応を試験管内(in vitro)、細胞内(in vivo)で検討する。最終的には他の核酸-タンパク質相互作用にも応用することで、本法の高い汎用性を明らかにし、阻害剤としても分子ツールとしても利用可能な包括的なコンセプトを提供することを目的としている。 2023年度はまず新規架橋ヌクレオシドの創製を目指し、2-アミノ-4-クロロピリミジン-C-ヌクレオシドの合成を行なった。合成した新規ヌクレオシドに対して、2-メルカプトエタノールに対する反応性を検討したところ、これまでのCl基を持つヌクレオシドの中で最も高い反応性を示すことを明らかにした。また、2-アミノ-4-クロロ-3-ホルミルピリジン-C-ヌクレオシドの合成を行い、2-メルカプトエタノールに対する反応性がこれまで合成した類縁ヌクレオシドの中で最も高く、2-アミノエタノールとも反応することを明らかにした。続いて2-アミノ-4-クロロピリミジン-C-ヌクレオシドをDNAに導入することに成功し、DNMTとの反応性についても検討した。2-アミノ-4-クロロ-3-ホルミルピリジン-C-ヌクレオシドについてはそのままでは反応性が高すぎて、DNA化学合成に不安定であったため、ホルミル基を1,2-ジオールとして、DNAへ導入し、DNA上でホルミル基へと変換する戦略でDNA合成を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では芳香族求核置換反応によりタンパク質と特異的に共有結合を形成する新規架橋ヌクレオシドのデザインと合成を2023年度に行うことになっていた。本年度は新規ヌクレオシドとして、2-アミノ-4-クロロピリミジン、2-アミノ-4-クロロ-3-ホルミルピリジンヌクレオシドの合成に成功し、その反応性を検討することができた。また、2-アミノ-4-クロロピリミジンヌクレオシドのDNAへの導入にも成功しており、タンパク質との反応も検討することができたため、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2-アミノ-4-クロロ-3-ホルミルピリジンヌクレオシドをDNAへ導入するとともに、新たなタンパク質標的との反応性について主に検討していく。また、これまでに合成していないケト基を有するウリジン型の新規ヌクレオシドの合成を完了し、その反応性を検討する。
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