研究課題/領域番号 |
23K05073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
向井 理恵 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (90547978)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フラボノイド / ポリフェノール / 骨格筋 / フレイル / ロコモティブシンドローム / アミノ酸 / 筋萎縮 / 健康寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋量の維持は健康寿命を延ばすことに貢献します。これまでに食品に含まれる機能性成分・フラボノイドが骨格筋量減少(筋萎縮)の予防や骨格筋量の増加に作用することを明らかにしました。骨格筋量の維持にはアミノ酸の動態が関与します。そこで、フラボノイドがアミノ酸動態に影響するのではないかと着想しました。本研究ではフラボノイドが骨格筋へのアミノ酸輸送を向上させるか否か明らかにすることを目的として研究を実施します。
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研究実績の概要 |
骨格筋量は健康寿命と相関することから、健康科学分野における重要な研究対象である。骨格筋量の維持には運動や、タンパク質・アミノ酸栄養の貢献が高いことがよく知られている。2000年代に入り筋タンパク質分解に関する知見が集積したことをうけ、これを抑制する栄養素や食品成分の探索が進んでいる。 代表者は食品成分・フラボノイドが実験動物で筋萎縮を抑制することを世界に先駆けて報告した。このようなフラボノイドの薬理学的作用をヒトの食生活で活用するためには、骨格筋量調節にかかわる栄養代謝との関連を紐解くことが必要であり、特にタンパク質やアミノ酸との関係解明は重要な課題であると考えた。そこで、本研究では、フラボノイドの骨格筋へのアミノ酸取り込み増加作用メカニズムをアミノ酸動態の面から明らかにすることを目的とした。廃用性筋萎縮を強く抑制する8-プレニルナリンゲニンを研究材料とした。 実験条件の最適化のため、アミノ酸トランスポーター関連因子の発現誘導を指標に実験系の設計を行った。アミノ酸要求性を高めるため、C2C12細胞で栄養(血清やアミノ酸)欠乏による脱感作での前処置時間の検討を行ったところ、1時間以上の脱感作は不要であることが分かった。また、8-プレニルナリンゲニンの処理時間と処理濃度の検討をおこなった。マウスでは、絶食の条件を検討した。絶食24時間で筋萎縮関連遺伝子の上昇が認められたことをうけ、絶食20時間で8-プレニルナリンゲニンを投与し、絶食24時時間後に餌を再開した。アミノ酸トランスポーターの発現は、8-プレニルナリンゲニンの投与から8時間後に上昇した。 アミノ酸量の変動は、メタボローム解析を用いたアミノ酸分析を実施した。C2C12細胞に、8-プレニルナリンゲニンを処理したところ、複数の遊離アミノ酸で上昇が認められた。マウスの実験でも、遊離アミノ酸量の増加を示唆するデータを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の計画では、細胞実験と動物実験の評価系構築と、アミノ酸量の変動解析を予定していた。細胞実験については、順調にデータが進み、目標とする基盤データを得た。動物実験については、餌の投与経路を変更が必要であった点と、得られた結果から評価系デザインの変更が必要である可能性が見出され点とで、課題を残すことになった。この評価系デザインの変更については、すでに新たな計画を策定し、予備検討を開始していることから、全体計画の大幅な変更は必要なく、おおむね順調に推移していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況で報告したように、マウスへの餌の給餌方法を再検討することが直近の課題である。アミノ酸動態の制御に対する8-プレニルナリンゲニンの影響を評価するためには、マウスの給餌状態のコントロールが最重要課題となる。先行研究例がほとんどないことから、独自の方法に取り組んでいく。 研究の目的や方向性に変更はない。
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