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低容量植物ステロール摂取による動脈硬化の抑制機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05076
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

中野 貴成  埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20406474)

研究分担者 平崎 正孝  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10522154)
青地 英和  埼玉医科大学, 医学部, 助教 (40646478)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
キーワードRNAシーケンス / Liver-X-Receptor / 植物ステロール / 動脈硬化 / アポE欠損マウス / LXR / 炎症
研究開始時の研究の概要

種実類などに含まれる植物ステロールには、動脈硬化を促進するコレステロールの吸収を競合的に阻害し血漿コレステロール値を低下させる効果がある。しかしその活用はこれまで限られてきた。本研究では動脈硬化の抑制に必要な植物ステロールの摂取量を推定するとともに、その機序を解明し、より実用的で科学的な心疾患予防を提案することを目的とする。

研究実績の概要

種実類などに含まれる植物ステロール(plant sterol; PS)には、動脈硬化を促進するコレステロールの吸収を阻害し血漿コレステロール値を低下させる効果がある。飼料の2%以上をPSに置き換えたとき、マウスを用いた研究では血漿コレステロール値が低下し、かつ動脈硬化層が大幅に減少することが多数報告されている。これはコレステロール値の低下によるものと考えられてきた。しかし血漿コレステロール値の低下を伴わない程度の少量(0.125%)のPSをマウスに摂餌させたとき、同じく動脈硬化層を大幅に減少させた。本研究はその低容量における作用機序の解明を目的としている。
PSは核内受容体である Liver-X-Receptor(LXR) のアゴニスト作用があることが知られている。LXR活性化はその抗炎症作用によって動脈硬化を抑制しうることが期待される。我々はまず少量のPSによる効果とLXRアゴニスト(GW3965, 10 mg/kg)のそれとを比較したところ、本実験系ではLXRアゴニストに同様の効果は認められなかった。このことからPSによるLXR活性化の可能性は保留とした。
次いで、PSを摂取することで代謝的な変化が生じたのかを検証するため、肝組織に対してRNAシーケンスによる遺伝子発現網羅解析を実施した。PS含量0, 0.125, 2%飼料を与えたマウス各5匹を対象とした分析では群間で大きな遺伝子変動は確認されなかった(0% vs. 0.125%: Average Sihousettes score -0.049)。Gene Onthology 解析ではPS摂取群でacute-phase protein の遺伝子発現低下傾向を示した。この変化を検証するため血清CRPを測定したが、PS摂取群でCRP値の低下傾向は認めなかった。
これら結果に示すように現時点ではその機序を特定するには至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験開始時点の為替を含めた物価高を考慮し、当初の予定を変更して作用機序の解明に取り組むこととした。「研究実績の概要」に示したLXRアゴニストを用いた動脈硬化抑制実験とRNAシーケンスを実施した。現時点ではその機序の解明につながる結果を得てはいないが、実験としては順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

植物ステロールを摂取することで炎症マーカーである血清CRP値に有意な低下が見られなかったこと、またRNAシーケンスで肝臓への遺伝子発現変化に動脈硬化の抑制効果を説明するような変化が確認されなかったことから、生体内に吸収された植物ステロールの作用ではない可能性を検討すべきと考えている。空腸組織での遺伝子発現変化や腸内細菌叢への影響について検討を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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