研究課題/領域番号 |
23K05083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
津田 孝範 中部大学, 応用生物学部, 教授 (90281568)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食品因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、乳酸の経口摂取と運動の併用による効果的な認知機能低下予防作用を明らかにしその科学基盤を提示することである。具体的には、乳酸の経口摂取と運動併用による認知機能低下予防作用とその機構解明を実施する。この研究により乳酸の新しい役割と運動併用に関する新たな機能研究の方向性を先導し食品因子の機能開発へ発展させる。
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研究実績の概要 |
「Exercise Is Medicine」との言葉があるが、「運動」は全身に多様な恩恵をもたらす。たとえば、がん予防やエネルギー代謝の亢進による体脂肪蓄積抑制、褐色脂肪細胞化の誘導など多岐にわたる。中でも運動で認知機能低下の予防や改善が可能なことは特筆に値する。他方、「乳酸」は疲労物質ではなく、運動で生成した「乳酸」がシグナル分子となり糖・脂質代謝を亢進させる、さらに高強度インターバル運動で血中「乳酸」濃度の上昇により認知機能が向上するなどの報告が相次いでいる。このように運動による乳酸濃度上昇は脳機能など多様な作用に関わる。しかしながら、乳酸の摂取による機能発現、さらに乳酸の摂取と運動を併用した時の効果については、不明な点が多く、乳酸投与に関しても多くの場合は経口摂取ではなく腹腔内投与での実験が多い。したがって本研究の目的は「乳酸の経口摂取」「乳酸の経口摂取と運動の併用」による効果的な認知機能低下予防作用を明らかにし、新たな機能の科学基盤を提示することである。 2023年度は、はじめに本研究に必要な行動科学試験を確立すること、マウス系統と運動条件を確立することを行った。その結果、マウス系統としてはICRマウスを用いることとし、運動方法を確立した。そして本研究で実施した運動のみ(4週間)では認知機能に影響を与えないことを確認した。次に乳酸の経口摂取のみで2種類のdoseを用いて、認知機能の評価を行った。その結果、high-dose群では認知機能が向上したが、low-dose群ではこの向上効果は消失した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、はじめに本研究に必要な行動科学試験を確立すること、マウス系統と運動条件を確立することを行った。次に乳酸の経口摂取のみでの成果を得た。以上のように1年間で十分な基盤データを得ていることから、進捗状況としておおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の成果に基づき運動と乳酸併用による認知機能について検証する。これまでと同様にマウスを用いて、飼育終了前に認知機能評価を実施し、その後脳組織を採取する。認知機能に関する評価法等から乳酸の経口摂取と運動の併用による認知機能向上作用を立証し、効果増幅作用を立証する。さらにその機構解明のために脳組織の解析を進める。
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