研究課題/領域番号 |
23K05084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
濱岡 仁美 (黒瀬仁美) 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80545608)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | α-Mangostin / 乳がん / 天然由来成分 / hedgehog経路阻害剤 / 抗腫瘍効果 |
研究開始時の研究の概要 |
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して抗腫瘍効果を発揮する天然由来成分α-Mangostin(αMG)は、乳がんの増殖シグナルを抑制しており、がん幹細胞の生存や増殖・進展に関わるhedgehogシグナルに影響を与えている可能性が高い。Hedgehogシグナル経路はTNBCにおいて亢進しており、新たな治療標的となる可能性がある。本研究では、TNBC細胞株および乳がんモデルマウスを用いてαMGの新規ヘッジホッグシグナル阻害剤としての評価を行い、難治乳がんにおける新たな治療メカニズムを解明し、治療標的の限られた難治乳がんに対する治療の選択肢を増やしたいと考える。
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研究実績の概要 |
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は分子標的治療薬の標的となるHER2やホルモン療法の標的となるホルモン受容体を発現していないため、抗がん剤が第一選択となる。しかし、抗がん剤の奏効には個人差があり、奏効しない場合に治療が困難となる。TNBCを含む難治乳がんの再発および予後不良の原因のひとつとして、薬剤治療後に乳がん幹細胞様の細胞が残り、増殖を繰り返すことがあげられる。我々は最近の研究で乳がん幹細胞様の細胞を含むTNBC細胞株に対して天然由来成分α-Mangostin(αMG)が乳がんの増殖シグナルを抑制することで抗腫瘍効果を発揮することを明らかにした。αMGはAkt経路を介して乳がんの増殖を抑制しており、他にも増殖シグナルに関与する分子を標的としている可能性が示唆された。そこで、本研究では治療標的の候補としてがん幹細胞の生存や増殖・進展に関わるhedgehogシグナル経路に着目した。がんにおいてhedgehogシグナルの異常により体性幹細胞からがん幹細胞への転換が起こり、腫瘍化が促進されることが知られる。HedgehogシグナルはTNBCにおいて亢進しており、αMGの直接の標的もしくはAkt経路などを介した標的となる可能性が高い。これらのことからαMGがTNBCに対する新規hedgehogシグナル阻害剤として利用できると期待している。本研究の目的は、TNBC細胞株およびこの細胞株を移植して作製した乳がんモデルマウスを用いて、既存のhedgehogシグナル阻害剤とαMGの治療効果を比較し、αMGの新規hedgehogシグナル阻害剤としての評価を行うことである。本年度はTNBC細胞株を用いた実験系の立ち上げと基礎検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験系の立ち上げと基礎検討に時間を要したため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
TNBC細胞株を用いて既存のhedgehogシグナル阻害剤とαMGの効果を、①hedgehog経路関連分子の発現への影響、②細胞増殖、細胞死、細胞周期への影響、③乳癌幹細胞マーカー陽性細胞への影響を解析することで比較し評価を行う。
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