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肥満予防の個別化食事指導を確立するための食事要因と腸内細菌叢の媒介分析

研究課題

研究課題/領域番号 23K05092
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

栗木 清典  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20543705)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード生活習慣病 / 腸内細菌叢 / 栄養疫学 / コーホート研究 / 媒介分析 / プレシジョンニュートリション / 肥満 / 一次予防 / 食事要因
研究開始時の研究の概要

日本人の『コーホート研究』において、健診情報、科学的妥当性のある食事調査で得られた食事要因、次世代シークエンサーで測定した腸内細菌叢メタゲノム解析の関連 (HGM) より、肥満に対する2つの要因の関連 (媒介効果を含む) ついて明らかにする。
目標_1:日本人の肥満に対し、食事要因とHGMの関連を“男女別”に明らかにし、HGMの媒介効果について検討する。
目標_2:日本人のメタボリックシンドローム (MetS) に対し、食事要因とHGMの関連を“男女別”に明らかにし、HGMの媒介効果について検討する。
目標_3:肥満とMetSに対するHGMによるプレシジョンニュートリションを検討する。

研究実績の概要

肥満率が世界的に低値の日本人の肥満について、日本多施設共同コーホート (J-MICC) 研究の静岡・桜ヶ丘地区の参加者を対象に、箸を使う食文化における摂食速度、欧米と異なるだけでなく、最近の世帯構成を鑑みた家庭環境要因 (婚姻、子供の数、家族構成、家族関係など)、口腔指標 (口腔機能、口腔清掃など5つの指標と総合力) などとの関連を検討し、英文専門誌に報告してきた。
国際比較研究より、日本人の腸内細菌叢 (HGM) の特徴は、炭水化物、ビタミン類、アミノ酸の代謝に関わるHGMの組成比が顕著に高く、エネルギー代謝に関わるHGMの組成比が明瞭に低いなど、栄養素代謝機能が異なることにある。そこで、栄養疫学の研究を推進するにあたり、HGMのメタゲノム解析の精度管理を公表するなどして、日本人を対象にしたコーホート研究で肥満やメタボリックシンドローム (MetS) に対する食事要因とHGMの関連を検討できる準備を進めてきた。
具体的には、J-MICC研究の静岡・桜ヶ丘地区で毎年収集している健診データを用いて、肥満やMetSの一次予防の対策に資するため、男女別に、日本人のHGMに基づいた個別化食事指導「プレシジョンニュートリション(precision nutrition)」を確立する計画を立案した。さらに、肥満指標 (BMI、腹囲、内臓脂肪型肥満の実測値:結果変数) に対し、内臓脂肪型と皮下脂肪型の性差を考慮して、食事要因 (独立変数) とHGM (媒介変数) の関連 (媒介効果を含む) を男女別に明らかにする。
なお、肥満とMetSに対する食事要因とHGMの関連において、HGMの媒介効果 (独立変数の結果変数に対する直接効果、独立変数が媒介変数を介して結果変数に及ぼす間接効果) も明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、J-MICC研究の静岡・桜ヶ丘地区の独自研究として静岡県内の5つの健診機関 (研究協力機関) より、約6,400人を対象としている。ベースライン時から過去5年間、および、現在までの5年間の計10年間の健診データを毎年提供いただき、個人レベルで突合してデータベース化している。5年後の第二次調査で便試料を大規模 (検体数:>1,000人分) に収集し、既に、>500人分のHGMの測定を終えている。昨年度、追加のHGM測定を依頼したが、すべての検体の測定ができなかったため、次年度も追加の測定を行う。その間、個人レベルですべてのデータを突合する準備を整えている。
なお、HGMの種・属の分類が国際的に変更されたことを受け、これまでに測定したHGMのデータの再分類を行う必要が生じたので、同時並行で進めている。
コーホート研究の実際の解析に役立てるため、先行して実施した食事調査であるJ-MICC Sakura Diet Studyより、四季における腸内細菌叢を介した糖代謝指標に対する緑茶摂取量の関連 (媒介分析) を英文専門誌公表した。
この大規模な長期の時系列データにおける欠測値については、欠損値を多重代入法で補完する統計解析プログラムの作成を進めている。
以上より、HGMの追加の分析し、そのHGM分析データの再分類を終えれば、コーホート研究において、肥満とMetSに対するHGMによるプレシジョンニュートリションを検討する体制は整う。

今後の研究の推進方策

現在、J-MICC研究の静岡・桜ヶ丘地区における約6,400人の計10年間の健診データ、科学的妥当性のある食事調査で得られた食事要因、および、次世代シーケンサーで測定したHGMより、次の2つの関連 (媒介効果を含む) を明らかにする準備を進めている。
まず、目的1として、肥満指標 (BMI、腹囲、内臓脂肪型肥満の実測値:結果変数) に対し、内臓脂肪型と皮下脂肪型の性差を考慮して、食事要因 (独立変数) とHGM (媒介変数) の関連を男女別に明らかにする。
次に、目的2として、MetSとその関連検査値に対し、食事要因とHGMの関連を男女別に明らかにする。
この目的の検討のため、便検体の残りのHGMの測定を行うだけでなく、HGMの種・属のデータの再分類する準備を進めている。大規模な長期の時系列データにおける欠測値については、欠損値を多重代入法で補完する統計解析プログラムの作成を進めている。
本研究より、肥満とMetSに対する食事要因とHGMの関連だけでなく、HGMの媒介効果 (独立変数の結果変数に対する直接効果、独立変数が媒介変数を介して結果変数に及ぼす間接効果) を明らかにする。そして、男の内蔵脂肪型と女の皮下脂肪型の肥満の違いを考慮して、男女別に、日本人の肥満とMetSの新たな一次予防対策として、HGMに基づいた個別化食事指導「プレシジョンニュートリション(precision nutrition)」の確立に方策を立案する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (4件)

  • [雑誌論文] Gut microbiota-mediated associations of green tea and catechin intakes with glucose metabolism in individuals without type 2 diabetes mellitus: a four-season observational study with mediation analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Ito Aoi、Matsui Yuji、Takeshita Masao、Katashima Mitsuhiro、Goto Chiho、Kuriki Kiyonori
    • 雑誌名

      Archives of Microbiology

      巻: 205 号: 5 ページ: 191-191

    • DOI

      10.1007/s00203-023-03522-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 静岡県立大学 食品栄養科学部 公衆衛生学研究室

    • URL

      https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/labs/phealth/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 明日のJ-MICC研究を支えるフロントランナーたち -J-MICC研究への思い

    • URL

      https://jmicc.com/?page_id=2704

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 明日のJ-MICC研究を支えるフロントランナーたち:第12回

    • URL

      https://jmicc.com/?page_id=2631

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] みらいぶっく:栄養素や緑茶が腸内細菌の働きで肥満予防に役立つことを明らかに~食と健康の大規模調査~

    • URL

      https://miraibook.jp/researcher/330

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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