研究課題/領域番号 |
23K05103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森山 達哉 近畿大学, 農学部, 教授 (60239704)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 食物アレルギー / アレルゲン / 経皮感作 / 納豆 / クルミ / マンゴー / 新規食資源 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギーの感作経路として、皮膚が関与する「経皮感作」が注目されている。しかし、どのようなタンパク質が経皮感作しうるか、しやすいかといった、多様性/共通性は不明な点が多い。これまで、我々はマウスを用いて経皮感作モデル系を構築している。 そこで本研究では、この評価系を用いて、新規食資源も含めた各種食品における経皮感作しうるアレルゲンタンパク質を同定し、経皮感作しやすいタンパク質の多様性/共通性を明らかにする。得られた経皮感作能に加えて、摂食時のアレルギー惹起リスクを反映する「消化酵素抵抗性」の指標も確認することで、主要食品中の食物アレルゲンを再評価する。
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研究実績の概要 |
食物アレルギーの感作経路として、皮膚が関与する「経皮感作」が注目されている。しかし、どのようなタンパク質が経皮感作しうるか、しやすいかといった、多様性/共通性は不明な点が多い。これまで、我々はマウスを用いて経皮感作モデル系を構築している。 そこで本研究では、この評価系を用いて、新規食資源も含めた各種食品における経皮感作しうるアレルゲンタンパク質を同定し、経皮感作しやすいタンパク質の多様性/共通性を明らかにする。経皮感作能に加えて、摂食時のアレルギー惹起リスクを反映する「消化酵素抵抗性」の指標も確認することで、主要食品中の食物アレルゲンを再評価する。今年度は以下のような研究を行った。 新規食資源を含む主要食品の経皮感作抗原の同定による多様性/共通性の理解では、我が国における主要なアレルギー食品を中心に、まだ解析していない主要食品での経皮感作能の検証と原因抗原の探索を行っている。今年度は、アボカド、マンゴー、モモ、クルミ、食用コオロギなどを検証した。いずれもマウスモデル系において塗布抗原特異的IgG1抗体が産生された。一部の抗原に関しては、IgEも産生された。そこで、これらの感作抗原を明らかにするために、各種カラムクロマトグラフィー等を用いて精製、さらにLC/MS/MSによってアレルゲンタンパク質の同定まで進めた。既知のアレルゲンとともに、新規なアレルゲンも見いだされた。現在、論文執筆を進めている。また、大豆に関しては、食品としての経皮感作能の差異を解析するために、その加工方法の違いによるアレルゲン性の差異について納豆を中心に検討した。その結果、納豆では大豆や水煮大豆と比較して、多くのアレルゲンコンポーネントが有意に低減していることが明らかになった。しかしながら、重篤な症状を引き起こすことが知られているGly m 5やGly m 8は、その断片が有意に残存していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主要な食品(約5種類)をマウスモデル系に塗布し、感作抗原の探索を進めており、概ね計画通りと言える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、主要な食品としてナッツ類や果実類、食用昆虫などの経皮感作抗原の同定を進めるとともに、それらの抗原の共通性、多様性を解明する。さらに、消化抵抗性に関しても解析を進める。
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