研究課題/領域番号 |
23K05114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
金内 誠 宮城大学, 食産業学群, 教授 (70404845)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 乳酸菌 / 表層タンパク質 / ヒートショックタンパク |
研究開始時の研究の概要 |
発酵食品での応用のために、他微生物を感受すると考えられる表層タンパク質(HSP70;Heat Shock Protein70とそのシャペロンタンパク質;DnaK)を解析し、「センサー」様機能について解明する。これまで、乳酸菌の表層タンパク質(HSP70やDnaK)は大腸菌の細胞膜組成のLPS(リポポリサッカライド)と結合すると報告したが、それによる乳酸菌の代謝への影響は明らかでない。そこで、本研究では、乳酸菌の一部の表層タンパク質がLPSを感知すると「センサー」様機能を果たし、LPSを分解へ導くと仮定し、表層タンパク質(主にHSP70やDnaK)の役割について検討する。
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研究実績の概要 |
Pediococcus pentosaceus AK23 株の、グラム陰性細菌由来のLPSの消去メカニズムに着目し、LPSの表層タンパク質のDnaK/DnaJ chaperonesに与える影響について明らかにすることを目的とした。 AK23株は,38.7%と高いLPS消去能を示した。そこで, Brevibacillus choshinensis株を用いて,DnaKタンパク質高発現株を作出を試みた。その結果,Asamiの報告した通りにLPS消去活性が高い株をもつ,DnaKタンパク質高活性株を得ることができなかった。 本来のDnaKタンパク質高発現株のインサートDNAは,DnaK/DnaJ chaperones のATP-binding subunitが含まれており、ATPase活性を持つ可能性が考えられる。そこで,組み換えタンパク質(リコンビナントDnaKタンパク質)のATPase活性についても検討したが,ATPase活性は持たなかった。さらに確認のため,リコンビナントDnaKタンパク質の精製を行った。組み換え株の生産したDnaKタンパク質にはHisタグをもつ。そこで,Niカラムを用いて,rDnaKを精製し、電気泳動によるタンパク質を検出した。さらにATP-binding subunitを持つために何らかのATPase活性を持つ可能性が考えられるため、ATPase活性の有無を検討した。 その結果からもタンパク質の生産は少なく検出はできず,ATPaseも検出できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究の方策として,昨年度に引き続きPediococcus pentosaceus AK23 株のグラム陰性細菌由来のLPSの消去メカニズムに着目しLPSの表層タンパク質のDnaK/DnaJ chaperonesに与える影響についてをあきらかにする。そのために昨年度は成功しなかったヒートショックタンパクのシャペロンでもあるDnaK/DnaJ の高生産株の作出を行いどのように結合するか,あるいはATPaseの活性についても明らかにする。AK23株に対するストレス活性を調査するために用いるためDnaK/DnaJ chaperonesノックアウト株の作成を行う。さらにLPSを持つ大腸菌がPediococcus pentosaceus AK23 株へどのように影響するかについても検討するため,共培養を行い,その形状の変化や増殖速度,菌体メタボリズム解析などを行う予定である。 このような抗ストレス活性を調査することで、LPS消去メカニズムにおける、HSP70やDnaKの機能について明らかにすることが可能であると考えられる。また、AK23株の機能解明により、食品加工だけでなく医薬品や家畜飼料素材の応用等、更なる有効性の拡大が期待できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究の方策として,昨年度に引き続きPediococcus pentosaceus AK23 株のグラム陰性細菌由来のLPSの消去メカニズムに着目し、LPSがLPS消去に関与する表層タンパク質のDnaK/DnaJ chaperonesに与える影響をあきらかにする。そのために昨年度は成功しなかったヒートショックタンパクのシャペロンでもあるDnaK/DnaJ の高生産株の作出を行いどのように結合するか,あるいはATPaseの活性についても明らかにする。AK23株に対するストレス活性を調査するために用いるためDnaK/DnaJ chaperonesノックアウト株の作成を行う。さらにLPSを持つ大腸菌がPediococcus pentosaceus AK23 株へどのように影響するかについても検討するため,共培養を行い,その形状の変化や陪乗速度,菌体メタボリズム解析などを行う予定である。 このような抗ストレス活性を調査することで、LPS消去メカニズムにおける、HSP70やDnaKの機能について明らかにすることが可能であると考えられる。また、AK23株の機能解明により、食品加工だけでなく医薬品や家畜飼料素材の応用等、更なる有効性の拡大が期待できると考えられる。
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