研究課題/領域番号 |
23K05121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 佑典 日本大学, 理工学部, 教授 (20586755)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脂質発現変化 / マイクロバイオーム / 脂肪酸代謝 / 神経細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マイクロバイオームが様々な神経変性疾患にも関与していることが示されていることから、その詳細な機序の解明が課題となっている。マイクロバイオーム由来の脂質には、分岐鎖や水酸化された脂肪酸などが含まれていることが報告されている一方で、食事脂質の代謝との関連性や各脂肪酸代謝物の神経細胞に対する機能の全容は明らかになっていない。 本研究では、マイクロバイオーム由来の脂肪酸ライブラリーの構築、脂肪酸代謝物の神経細胞への機能分析を行い、マイクロバイオーム由来の脂肪酸代謝物の神経細胞障害/保護メカニズムの解明およびその応用を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は,マイクロバイオーム由来の総脂質からの脂肪酸の遊離・精製,および構造解析条件を検討し,各微生物から産生される脂肪酸およびその代謝物の組成解析情報の蓄積を行った.そして,異なる年代・性別の健常人から採取した皮膚常在細菌の脂質代謝スクリーニングを行い,脂質代謝に大きな差を示した皮膚常在細菌のクローニングを行った.その結果,特定の脂質存在下で培養した20/40代の皮膚常在細菌では,コロニー径・色調,脂質の分解活性に大きな違いを示すことを明らかにしている.また,特定の脂質代謝を示す皮膚常在細菌とコロニーの色調には相関がある可能性を見出している.さらには,性差について比較した結果,男性の皮膚常在細菌では比較的年齢依存的な脂質代謝を示す一方で,女性特有の生活習慣や年齢依存的な変化を反映していると考えられるそれぞれの培養条件が確認されている. また,代表的なマイクロバイオームである歯周病菌(Porphyromonas gingivalis)由来の脂質の抽出・精製を行い,主要な脂質が得られたことから,それぞれの脂質の構造解析を進めている.さらには,主要な脂肪酸の特定の脂肪酸およびその代謝物をマウス由来神経幹細胞株(NE-4C)や運動神経様細胞株(NSC-34)の培地中に添加後,総脂質を抽出し,薄層クロマトグラフィーによる解析を行った結果,一部の脂質発現に大きな変化が生じることを明らかにしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マイクロバイオーム由来の脂肪酸ライブラリー構築が遅れていることから,分子内の二重結合,水酸基の数や位置,炭化水素鎖長,分岐構造など,各脂肪酸構造の神経細胞に対する詳細な機能解析については十分に検討できていない.また,マイクロバイオーム由来の各極性/非極性脂質の詳細な分離条件検討が不十分であることから,各脂質の単離および構造決定には至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,特定の脂質代謝に大きな差を示す皮膚常在細菌の同定を進めていく.また,マイクロバイオーム由来の脂質または脂質が代謝物処理後の各神経細胞にて変化が見られた脂質構造解析を進め,その発現制御機構についても解析を進めていく予定である. 脂肪酸ライブラリー構築に関しては遺伝子組換え大腸菌・酵母を用いた系の構築を行う.また,マイクロバイオーム由来の各脂質の分離条件を再度検討していく予定である.
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