• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

食物アレルギーによる気管支喘息の亢進機序の解明と食品成分による制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K05135
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関日本大学

研究代表者

津田 真人  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (50525681)

研究分担者 細野 朗  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (70328706)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード食物アレルギー / 2型自然リンパ球 / IL-33誘導性喘息 / 肺 / 気管支喘息 / 腸内細菌
研究開始時の研究の概要

食物アレルギーの発症はその後の気管支喘息の発症リスクや併発による症状悪化の傾向があることが示唆されているが,その免疫学的機序は未解明である。本研究では食物アレルギーモデルマウスにおいて肺の2型自然リンパ球(ILC2)が活性化することに着目し,気管支喘息における役割を検討するとともに,機能的特徴および活性化機構の解明を目指す。さらに,食物アレルギーによる肺ILC2の活性化を調節する腸内細菌叢や食品成分の作用を検討し,アレルギーマーチを予防・制御する機能性食品開発のための基礎的知見を得ることを目指す。

研究実績の概要

食物アレルギーの発症はその後の気管支喘息の発症リスク亢進や併発による喘息症状悪化に寄与することが示唆されているが、その詳細は不明である。本研究は食物アレルギーと気管支喘息を繋ぐ機序の解明を目指して、食物アレルギー誘導したマウスの肺2型自然リンパ球(ILC2)の機能的特徴および活性化機構の解明を目指している。
①「食物アレルギー発症により気管支喘息が亢進するin vivo実験系の確立の検討」:食物アレルギーモデルであるOVA23-3マウスにおいて、ILC2が関与する好酸球性肺炎を引き起こすことが知られているIL-33誘導性喘息モデルを誘導し、この際のIL-33投与量や経鼻投与のタイミングの検討を行った。その結果、食物アレルギー誘導7日目からIL-33を1日1回0.5 ugを2日間または3日間マウスに投与した際に、エフェクター細胞としてはたらく好酸球の肺における増加・活性化や気道へ浸潤の亢進が認められた。
②「食物アレルギー発症による肺ILC2の活性化の特徴と活性化機構の解明」:食物アレルギー誘導マウスの肺ILC2の活性化状態を特徴づけるため、フローサイトメトリーにより細胞表現型を解析した。その結果、食物アレルギー誘導マウス由来のILC2はいくつかのサイトカイン受容体の発現の上昇が観察された。次に、食物アレルギー誘導により肺ILC2の増加・活性化する機序を探るため、食物アレルギーの感作部位である腸管もしくは造血の場である骨髄におけるILC2の割合や活性化状態についても検討した。食物アレルギーを誘導したマウスの骨髄中ILC2の増加が観察され、食物アレルギーが骨髄におけるILC2分化促進に寄与している可能性が示唆された。また、ILC2の肺への移行に関与するケモカインの遺伝子発現を腸管、肺、骨髄細胞において解析したが、顕著な影響は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①「食物アレルギー発症により気管支喘息が亢進するin vivo実験系の確立の検討」については、肺および気管支肺胞洗浄液中の好酸球に着目した細胞学的な解析を指標にして、食物アレルギー誘導によりIL-33誘導性喘息の反応が亢進する条件を概ね決定することができた。同条件において組織学的な解析も進めていく。
②「食物アレルギー発症による肺ILC2の活性化の特徴と活性化機構の解明」については、
フローサイトメトリーによる解析を中心に、食物アレルギー誘導状態の肺ILC2の活性化状態についていくつかの知見を得ることができた。しかし、①の実験の検討に時間を要したため、当初予定していた食物アレルギー誘導したマウス、および、IL-33誘導性喘息マウスのILC2をそれぞれ単離して網羅的遺伝子発現解析を行うことが出来なかったため、次年度改めて行う予定である。

今後の研究の推進方策

上述した食物アレルギー誘導したマウス、および、IL-33誘導性喘息マウスからILC2を単離し、網羅的遺伝子発現解析を行い、食物アレルギーにより調節される肺ILC2の機能に係る特徴的な遺伝子を探索する。
食物アレルギーによる肺ILC2の活性化における腸内細菌叢の関与について検討するため、食物アレルギー誘導前から抗生物質をマウスに投与して腸内細菌叢を破綻させた際の肺ILC2への影響を解析する。無菌マウスにおいても同様の解析を進めていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 異なる脂肪酸の摂取条件が食品抗原を介した免疫応答に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      吉村美和,津田真人,細野朗
    • 雑誌名

      無菌生物

      巻: 53(2) ページ: 45-46

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フラクトオリゴ糖摂取が腸管の樹状細胞と抗体産生に与える影響2024

    • 著者名/発表者名
      森清彰,古川凱斗,津田真人,細野朗
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フラクトオリゴ糖の構成糖がマウス腸内細菌叢とIgA産生に与える影響2024

    • 著者名/発表者名
      大村蓮,津田真人,京井大輔,細野朗
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 小腸パイエル板細胞が誘導するIgA抗体産生応答におけるクルクミン・短鎖脂肪酸・腸内細菌による協調作用2024

    • 著者名/発表者名
      大鐘大士,舘岡楓,柴崎涼太,津田真人,小寺修平,吉田有佐,WANG YIMEI,戸塚護,足立(中嶋)はるよ,八村敏志,細野朗
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フラネオールの嗅覚刺激による自発運動量への影響2024

    • 著者名/発表者名
      木脇百香,大畑素子,横山壱成,細野朗,津田真人,長田和実
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 無菌マウスを用いた真性ビオチン欠乏モデルにおける炎症反応とT細胞応答の解析2024

    • 著者名/発表者名
      大西拓人,津田真人,岡田開,大崎雄介,白川仁,駒井三千夫,細野朗
    • 学会等名
      第57回日本無菌生物ノートバイオロジー学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 盲腸リンパ節のIgG2b抗体誘導に対するCD4+ T細胞の関与と腸内細菌による調節2023

    • 著者名/発表者名
      岡田開,津田真人,八村敏志,高橋恭子,細野朗
    • 学会等名
      日本食品免疫学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 食物アレルギーはIL-33誘導性肺炎における好酸球の活性化を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      溝口拓海,津田真人,細野朗
    • 学会等名
      日本食品免疫学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 消化管アレルギーモデルにおける病態と腸内細菌叢の関係性2023

    • 著者名/発表者名
      西辻幸介,磯垣遼,津田真人,曽我浩平,中村翔太朗,星野友宏,細野朗,八村敏志,足立(中嶋)はるよ
    • 学会等名
      日本食品免疫学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ビオチン欠乏がT細胞応答に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      大西拓人,津田真人,岡田開,大崎雄介,白川仁,駒井三千夫,細野朗
    • 学会等名
      日本ビタミン学会第75回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi