研究課題/領域番号 |
23K05156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
三柴 啓一郎 龍谷大学, 農学部, 教授 (70390888)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 小胞体ストレス応答 / 遺伝子導入 / セイヨウアブラナ / 種子 / シロイヌナズナ / ゲノム編集 / IRE1 / アブラナ科植物 |
研究開始時の研究の概要 |
IRE1は多細胞生物の発達にも関与することが報告されているが、その仕組みや生理的意義は未だに解明されていない。本研究では、植物発達におけるIRE1のセンサー非依存的な活性化機構の仕組みや役割を、ire1変異体や改変IRE1を導入した組換え体の解析により解明する。また、これまでの研究からire1変異体にIRE1を再導入した組換えシロイヌナズナから種子が大型化する現象を見出している。そこで、この現象の原因や、種子形成におけるIRE1機能の解明により得られた知見を基に、アブラナ科植物の種子を組換えタンパク質や油脂生産のプラットフォームとした、IRE1制御による物質生産の基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、植物発達、特に種子形成におけるIRE1のセンサー非依存的な活性化機構の仕組みや役割について、ire1変異体や改変IRE1を導入した組換え体の解析により解明し、これにより得られた知見を基にしたIRE1制御による物質生産への応用を目指している。本年度は、GFPを導入した組換えシロイヌナズナの選抜や、セイヨウアブラナやBrassica rapaへの遺伝子導入系の確立を目的とした研究を行った。 自殖性の油脂植物であるBrassica rapa品種‘Yellow Sarson’は二倍体であるため、複二倍体であるセイヨウアブラナと比較してゲノム編集等によるIRE1遺伝子の機能解析や導入遺伝子の影響の調査が容易になる可能性が期待できる。そこで‘Yellow Sarson’への遺伝子導入を目的とした効率的な再分化条件を検討した。その結果、Zeatinを添加した再分化培地でシュート分化が認められたため、今後、この培養系を用いて遺伝子導入を試みる予定である。また、セイヨウアブラナやBrassica rapaのIRE1遺伝子をゲノム編集により改変するためのベクター構築を試みた。IRE1AあるいはIRE1BのcDNAや遺伝子配列をデータベースより取得し、それぞれの機能ドメインを標的とするgRNA配列をU6プロモーター下流に挿入した。さらに、これら配列を含む領域をGateway反応によりpKIRベクターに導入した。今後、構築したバイナリーベクターをアグロバクテリウムに導入し、セイヨウアブラナやBrassica rapaへのゲノム編集を試みる予定である。シロイヌナズナについては、小胞体残留シグナル配列を持つGFPを発現する野生型とire1変異体の組換え植物を作出した。そこで今後はこれら組換え植物の種子組織におけるGFP発現の調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非モデル植物はモデル植物と比較して組換え体の獲得が困難で時間が掛かるため、本年度ではまず、非モデル植物の遺伝子導入系の確立に取り組んだ。基本となる組織培養系については先行研究等を参考に検討したが、その結果、胚軸組織片からの再分化系を見出すことができた。今後は遺伝子導入やゲノム編集を進めていきたいと考えている。一方でシロイヌナズナの実験については期待通りに進めることができなかったたため、今後はシロイヌナズナを用いた実験にも注力していきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、小胞体残留シグナル配列を持つGFPを発現する野生型とire1変異体の組換え植物を用いて種子組織でのGFP発現の解析を行い、センサードメイン非依存的なIRE1活性化の生理機能についての知見を得る。また、本年度に構築したゲノム編集ベクターについて、セイヨウアブラナやBrassica rapaへの導入を試みる。選抜された植物のIRE1遺伝子を解析し、IRE1機能欠損変異体を作出する。
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