研究課題/領域番号 |
23K05175
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
中田 克 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (60649862)
|
研究分担者 |
平 将人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (70370608)
谷中 美貴子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (80462555)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | オオムギ / 条性 / 変異体 / 遺伝子変異 / ハプロタイプ |
研究開始時の研究の概要 |
オオムギの条性制御には5つのVRS遺伝子が関わっており、国内六条オオムギ品種はVRS1遺伝子の変異をもつことが知られている。これまでに二条オオムギ品種「はるか二条」の変異集団から2系統の六条変異系統を単離し、1系統は新規のvrs1変異アリルをもつことを明らかにした。本研究では、残り1系統の条性制御遺伝子を解明し、VRS遺伝子群の集積によるオオムギの収量改善効果を検証する。また、コムギのVRSオーソログ遺伝子群についても解析を行い、条性制御遺伝子の組合せの最適化による多収化技術をムギ類の品種開発に実装する。
|
研究実績の概要 |
オオムギの条性は農産物の用途や品質検査基準に影響する非常に重要な形質である。オオムギでは5つのVRS遺伝子により条性が制御されることが知られており、また、VRS遺伝子のコムギオーソログによりコムギの穂の形態が制御されることが報告されている。これまでに国内で広く普及している二条大麦品種「はるか二条」の変異集団から六条の穂を形成する変異系統を2系統単離しており、そのうち1系統(系統A)はvrs1変異をもつことを明らかにしてきた。本課題ではもう一方の六条変異系統(系統B)の原因遺伝子を明らかにし、オオムギの条性制御遺伝子とそのコムギオーソログの利用によるムギ類に共通する遺伝的多収化技術を開発することを目的とする。 2023年度は、系統Bの原因変異の解明に向けて、系統Bと「はるか二条」を交配して得られたF2世代の種子を圃場に播種し、約100個体からMutMap解析のためのDNA抽出を行った。これらのF2個体について出穂後に条性を確認した。また、2つの異なる条性制御遺伝子の集積による多収化効果を明らかにするために系統Aと系統Bを交配し、F1植物を圃場で栽培した。 さらに、「はるか二条」の変異集団から新たな六条変異系統(系統C)を単離した。系統A、系統B、系統Cの相互の交配により得られたF1を世代促進温室において栽培し、穂の形態に基づく対立性検定から、系統Cは系統Aのvrs1変異および系統Bの変異とは異なる遺伝子座の変異をもつことを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、系統Bと「はるか二条」を交配して得られたF2世代を用いてMutMap解析まで行う予定であったため約100個体の葉からMutMap解析用にゲノムDNAの抽出を行ったが、圃場での出穂が2024年3月頃であったことから、出穂後に各個体の条性を確認した後にNGS解析を外注することができなかった。 一方で、新たに六条変異系統Cを単離し、系統A、系統Bとの対立性検定から、これらの変異体がそれぞれ異なる遺伝子座の変異を持つことを明らかにした。
|
今後の研究の推進方策 |
MutMap解析により系統Bの条性に関わる原因変異を明らかにする。また、系統Aと系統Bの交配により得られたF1植物からF2種子を収穫し、圃場に播種する。F2植物の条性と、条性に関わる変異の分離から各変異遺伝子の条性への効果および2つの異なる条性制御遺伝子の集積による多収化効果を明らかにする。多数の大麦・小麦品種における条性制御遺伝子群のハプロタイプ解析を行う。
|