研究課題/領域番号 |
23K05200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
大木 信彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (80527169)
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研究分担者 |
加賀 秋人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 主席研究員 (30391551)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大豆 / 耐倒伏性 / 短節間遺伝子 / ダイズ / 短節間 / 多収 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイズは子実の蛋白質含有率が高く、肉の代替食品として需要が高まっているが、日本のダイズ平均単収は減少傾向にある。倒伏は単収低下の原因の一つであり、申請者はこれまでに、節間を短くして耐倒伏性を向上させる短節間遺伝子を発見した。節間の長さの違いはジベレリン酸化酵素遺伝子を含む染色体領域のコピー数の違いによるもので、コピー数が増えるほど植物体は小さく、耐倒伏性は強くなると考えられる。本研究では、「フクユタカ」を遺伝背景とし、コピー数が異なる準同質遺伝子系統群を用いて、コピー数と耐倒伏性等の農業特性の関係解明、多収栽培法の検討を行うとともに、さらなる耐倒伏性強化につながる新規遺伝資源の探索を行う。
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研究実績の概要 |
短節間遺伝子のCNV領域のコピー数が異なる準同質遺伝子系統群を栽培して、農業特性の評価を行った。一般的に、栽植密度が高くなると、主茎長が長くなる反応が見られるが、CNV領域のコピー数が変化すると、反応性に違いがあることを明らかにした。この結果は、短節間遺伝子のCNV領域のコピー数を調整することにより、主茎長を抑制して耐倒伏性を向上させることができるだけでなく、環境に対する反応性を制御できることを示しており、農業特性として利用価値が高いと考えられる。 短節間遺伝子のCNV領域のコピー数について、これまでは次世代シーケンサーのリード数を近傍領域と比較して推定していたが、この方法では新たな遺伝資源のスクリーニングは困難であるため、定量PCRによるCNV領域のコピー数推定法を開発した。本手法により推定したコピー数と、次世代シーケンサーにより推定したコピー数は高い相関を示し、精度高くCNV領域のコピー数を判定できることが示された。次年度には、定量PCR法を用いた、遺伝資源のスクリーニングを実施する。 CNV領域のコピー数が異なる準同質遺伝子系統群を育成するための戻し交配を、2世代進めた。これまでは、試験に使うことができる準同質遺伝子系統のCNV領域のコピー数のバリエーションが限定されていたため、CNV領域のコピー数の変化に伴い、主茎長等の農業特性がどのように変化するのかについて、詳細な考察をすることができなかった。今後、これらの準同質遺伝子系統群の開発を進め、CNV領域のコピー数の変化と農業特性の関連をより詳細に明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
短節間遺伝子のCNV領域のコピー数と、農業特性の関連について、予定していた試験を実施し、短節間遺伝子が利用価値が高い特性であることを示した。短節間遺伝子のCNV領域のコピー数を高精度に推定する手法を確立した。また、短節間遺伝子のCNV領域のコピー数が異なる準同質遺伝子系統群を育成するための交配を予定通り進めた。
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今後の研究の推進方策 |
短節間遺伝子のCNV領域のコピー数と、農業特性の関連について、複数年のデータを取得して解析を行うとともに、多収を実現できる栽培条件を検討する。また、遺伝資源を用いて、短節間遺伝子のCNV領域のコピー数調査を行い、コピー数が多い系統を探索する。短節間遺伝子のCNV領域のコピー数が異なる準同質遺伝子系統群を育成を進め、コピー数の変化と、農業特性の関連を詳細に解明する。
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