研究課題/領域番号 |
23K05237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前島 健作 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20726062)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ファイトプラズマ / 膜タンパク質 / 昆虫宿主 / 媒介 / 宿主特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原細菌ファイトプラズマは、媒介昆虫への感染・増殖を経て新たな植物に伝染するというユニークな伝染環を有する。昆虫体内では、消化管、血体腔、唾腺という複数の組織に膜タンパク質を介して相互作用し、通り抜ける必要があるが、ファイトプラズマは培養と形質転換が困難なため、その分子メカニズムのほとんどは未解明である。応募者は今回、これまでにないファイトプラズマ膜タンパク質の機能解析系を確立することで、本細菌の昆虫媒介メカニズムを分子レベルで解明する研究計画を提案する。これにより、植物と昆虫という異なる宿主に巧妙に適応する細菌のユニークな生存戦略を明らかにできると考えている。
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研究実績の概要 |
ファイトプラズマは植物の篩部細胞内に寄生する病原細菌で、1000種以上の植物に感染し、世界各地の農業生産に深刻な被害をもたらしている。ファイトプラズマは昆虫にも感染し媒介されるというユニークな性質を持つ。ファイトプラズマは退行的進化によりゲノムサイズが縮退し多くの遺伝子を欠失しており、限られた遺伝子を使い分けて植物・昆虫の両宿主に寄生している。感染成立の分子メカニズムの解明には学術的にも新たな植物保護技術の確立のためにも興味が持たれているが、ファイトプラズマは培養と形質転換が困難であり、媒介昆虫も実験材料として扱いづらいため、昆虫媒介の分子機構に関する知見は、ファイトプラズマの全ゲノム解読から20年が経った現在でも未だ乏しい。そこで本研究では、これまでにないファイトプラズマ膜タンパク質の機能解析系を確立することで、本細菌の昆虫媒介メカニズムを分子レベルで解明することを目指す。 本年度はファイトプラズマ膜タンパク質の機能解析系に向けて、膜タンパク質の発現系の構築に取り組んだ。必要な細菌株を入手し安定的に継代することに成功するとともに、膜タンパク質の発現に必要なプラスミドベクターの構築を進めた。 加えて、膜タンパク質と同様にファイトプラズマ細胞外へと分泌されるタンパク質の機能解析を進め、宿主因子との複合体形成パターンにファイトプラズマ間で差があることを見出し、これまで知られていなかった機能メカニズムを解明するなどの成果を挙げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
必要な実験材料の入手をすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実際に膜タンパク質の発現・検出と機能解析を計画している。
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