研究課題/領域番号 |
23K05244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高野 俊一郎 九州大学, 農学研究院, 助教 (90725045)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | symbiont / coinfection / biological control |
研究開始時の研究の概要 |
節足動物の体内に共生し母系伝播する細菌は寄主の生殖を様々な形で操作する。その一つに、感染雌が雄と交尾した時、雄が感染しているかどうかにかかわらず卵はふ化するが、非感染雌が感染雄と交尾した時、感染雄は不妊雄となり、卵が孵化しないという現象がある。この現象は、細胞質不和合性(CI)と呼ばれ、感染雌は非感染雌に対し繁殖上有利となるため感染が広がる。しかし、複数種のCIを引き起こす細菌(CI細菌)が重複感染する場合、どのような感染拡大が起きるかはほとんど分かっていない。本研究では重複感染がCI細菌の感染の拡大へ及ぼす影響を、侵入害虫キムネクロナガハムシに重複感染する2種の細菌を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
野外でのハムシの感染状況を明らかにするため、2023年5月と11月に沖縄県宜野湾市にて野外調査を行った。その結果、野外にはWolbachia単独感染個体 (GW系統)、Mesenet単独感染個体 (GM系統)、重複感染個体(GMW系統)、無感染個体(GN系統)の4つの異なる感染状況の個体が存在すること、2度の調査でその割合は大きく変わらないことが明らかになった。また、寄主ハムシの遺伝的要因がCIに関与する可能性を検証するため、GW系統からGM系統への細菌のマイクロインジェクションを試みた。その結果、GM系統へWolbachiaを人工移植することに成功し、GM系統の寄主ハムシと遺伝的背景が同一のGMWm系統を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り年2回の野外調査を実施した。また、マイクロインジェクションによる細菌の人工移植に成功し、今後移植個体を用いた交雑試験が実施可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き野外調査を実施し、感染状況の変化を明らかにする。また、マイクロインジェクションによる細菌の人工移植に成功したため、移植個体を用いた交雑試験を実施し、寄主ハムシの遺伝的要因がCIに与える影響を明らかにする。
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