研究課題/領域番号 |
23K05257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
紺野 在 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20573059)
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研究分担者 |
伊澤 晴彦 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (90370965)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 組織透明化 / イメージング / 組織化学 / 昆虫 / ヒトスジシマカ / デングウイルス / 蚊媒介感染症 / アルボウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
多くの生物は不透明であり、解剖等を行わない限り体や臓器の内部を観察することが困難であったが、近年になって生物組織の構造を保ったまま透明にし、また特定の物質を蛍光色素で染めることで、構造を破壊することなく三次元的に観察する技術や装置が発展してきている。しかし、それらの技術は主に柔らかく色の薄い哺乳類の臓器に対して最適化されており、堅牢で強く着色した外骨格を持つ昆虫を透明にする手法の開発はほとんど進んでいなかった。そこで本研究では小型昆虫用の透明化法および蛍光染色法の開発を行う。また開発した技術の有用性を示すため、蚊を解剖することなく体内の病原性ウイルスの可視化を試みる。
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研究実績の概要 |
組織透明化法と免疫染色の併用は小型昆虫成虫の光学的全身三次元イメージングに有用であると考えられる。しかし、現在のところ、ショウジョウバエ以外の昆虫に適用可能な実用的透明化法は報告されておらず、一般に昆虫の成虫の免疫染色についてもほとんど報告がない。 本年度は昨年度までに開発したヒトスジシマカの全身透明化法およびそれと併用可能な免疫染色法のプロトタイプの改良を行った。まず手法の問題点の1つとして免疫染色の再現性が安定せず、同条件でバッチ処理した個体の中に染色が不完全なものが混じる点について検討を行った。これはプラズマ照射による親水化処理が不十分で、個体によっては撥水性が残存するため、あるいは固定により抗原性が失われるためではないかと考えた。そこで、特に疎水性の高い炭化水素を抽出することが期待される有機溶媒のヘプタンによる表面処理、および強力な界面活性剤SDSによる抗原賦活化処理を行ったところ、免疫染色の安定性が向上することがわかった。 また国立感染研究所で作製したデングウイルス感染ネッタイシマカを用いて、体内のウイルス抗原を検出可能な抗体の探索および検出条件を探索した。組織の自家蛍光や非特異的染色により結果の解釈が困難であることがわかったため、最初に試料ごとの差を最小化するため、単離した蚊の中腸を免疫染色して中腸内腔側からイメージングする評価系の構築を試みた。この系を用いて複数の抗体を用いてテストしたところ、抗フラビウイルスグループ抗原抗体で有望な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の一つである「高効率な蚊の透明化法およびそれと併用可能な固定後染色法の開発」について免疫染色結果を改善する改良を行い、またもう一つの目的である「蚊の体内のウイルスの可視化」について、デングウイルス感染蚊の単離臓器を用いたウイルス抗原の三次元イメージングを行い有望な結果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在のプロトコルでは免疫染色結果の再現性が完全ではなく、また割合は高くないものの一部の試料で恐らく膨張によると考えられる破損が生じることがわかったため、外骨格の酵素消化処理条件および透明化溶液の組成を変更することで解決が可能であるか検討する。さらにプロトコルの改良と並行して光シート顕微鏡を用いた全身イメージングを行い、本手法を用いて昆虫の解剖学について新規知見が得られないか検討する。また、蚊以外の小昆虫への適用性の検討を行う。 感染蚊体内の病原体イメージングについては、本手法と適合性のある抗体の探索を継続する。また有望な結果が得られた抗体について、単離臓器だけでなく透明化試料の全身染色を試みる。
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