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カイコガ精子が卵細胞に侵入するために必要な受精嚢由来因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K05259
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39050:昆虫科学関連
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

長岡 純治  京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (00303933)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード生殖腺分泌タンパク質 / 妊性 / 精子 / カイコガ / 受精 / 受精嚢タンパク質 / プロテオミックス解析 / ゲノム編集
研究開始時の研究の概要

チョウ目昆虫・カイコガ精子成熟の最終段階(受精嚢から卵細胞に侵入し,受精する)を解明するために,「精子の性質を卵内に侵入できるものへと変化させる受精嚢および附属腺分泌タンパク質因子の同定」を目指す。そのために,①受精嚢および附属腺で発現する遺伝子配列のデータベースをRNA-seqのリード配列コンティグを構築・利用して,②二次元電気泳動によって分離される受精嚢タンパク質の種類と精子成熟の伴う変化を,カタログ・同定化する。③成熟卵細胞の精孔付近に,受精嚢内精子を投入することで体外受精卵が得られる系を構築し,④受精嚢および附属腺分泌タンパク質遺伝子のノックアウト系統を利用して,その機能解析を進める。

研究実績の概要

カイコガ精子成熟誘発因子セリンプロテアーゼ・イニシャトリンの基質である精漿タンパク質BmSfp49, 53, 54, 62をコードするゲノム上タンデムに並ぶ遺伝子すべてのノックアウトホモアレル接合オス(KO)の有核精子は,メス体内交尾嚢から受精嚢へと移動することができず,結果,完全不妊となる。これら精漿タンパク質は,オス貯精嚢で合成・分泌され,射精後,交尾嚢で特異的な断片化を受け,その一部は受精嚢へ移動することを見出した。交尾嚢内KO有核精子ミトコンドリア膜電位状態に異常は観察されなかったが,受精嚢へ移動が開始する時間に,頭部が細くなる奇形を表して,死細胞となっていた。同時に,この時の交尾嚢内一酸化窒素濃度は野生型に比べて高い傾向にあった。KO完全不妊原因となる有核精子特異的な受精嚢移動阻害は,交尾嚢内での生理異常による有核精子の奇形や短寿命が原因であり,受精嚢およびその附属線の影響を受けていないものと推定された。

受精嚢およびその附属線を取り出して電気泳動で確認することで,再現性良く器官を取り出すことが出来るようになった。また,器官が小さいのでRNAseq解析に用いるRNA調製には,工夫がいることが判った。

交尾後3時間を経た交尾嚢から取り出した精液と精子をリンガー液で希釈して粘度を下げたものを,ガラスキャピラリーを用いて未交尾メスに導入することで,通常交尾のものと同様な数の受精卵が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の期待とは異なる成果となり,本研究が目指す目的とは異なる,オス精液タンパク質の機能を理解する成果が得られた。一見すると本研究の本来目的を解決していないので,進展がないものとなる。しかし,同時に,本研究を進めるのに必要な実験条件の検討とカイコガ系統の導入維持は完了した。よって,本研究テーマは順調に推敲できるものと判断する。

今後の研究の推進方策

1.予備実験に基づき,メス生殖器官を交尾嚢,受精嚢,附属線,輸管に分離して,RNAseqを行なう。
2.器官が小さいために二次元電気泳動によっての分離が難しいことが明らかとなってきたので,まず,一次元電気泳動と感度の高い染色法を用いて,メス生殖腺特異的なタンパク質の種類と精子成熟の伴う変化とRNAseqデータを利用したカタログ化を行なう。
3.受精嚢から精子を回収して,これを未交尾メスに導入することで受精卵が得られるかを検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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