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海流散布植物における生育適地の消失がメタ個体群構造に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K05268
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39060:生物資源保全学関連
研究機関新潟大学

研究代表者

石崎 智美  新潟大学, 自然科学系, 助教 (20632433)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード海浜植物 / 遺伝的構造 / NGS解析 / GIS / 絶滅危惧
研究開始時の研究の概要

砂浜は海と陸がせめぎ合い、特殊な環境に適応した海浜生物が生息する。しかし、近年、浸食や開発などで面積が減少し、海浜生物の生息地は急速に失われている。海浜植物であるスナビキソウは果実が海流散布され、近隣の砂浜間で活発に遺伝的交流を行い、メタ個体群構造を形成していたと考えられる。しかし、近年、多くの地域で生育地が減少しており、遺伝的交流が衰退している可能性がある。本研究では、スナビキソウのメタ個体群構造を明らかにし、局所集団間の遺伝的交流の有無を把握する。また、局所集団内の遺伝的多様性と繁殖成功の関連性や、生育適地の空間分布を明らかにし、砂浜の減少がメタ個体群構造に与える影響を明らかにする。

研究実績の概要

近年、砂浜は、浸食や地盤沈下によって面積が減少し、海浜生物の生育地の急激な減少をもたらしている。本研究では、海浜植物スナビキソウのメタ個体群の維持に砂浜の減少が与える影響を明らかにすることを目的とし、局所集団間の遺伝的構造の解明、局所集団内の生育密度および遺伝的多様性と繁殖成功の関連性の解明、生育ニッチの解明を行う。
2023年度は、(1)集団間の遺伝構造と、(2)集団内の生育密度と繁殖成功の関連について調査を行った。(1)については、研究代表者はすでに本州の日本海側を中心にサンプリングを実施済みであったため、本年度は北海道(4地点)、瀬戸内海沿岸(2地点)、九州(4地点)の生育地で葉のサンプリングを行った。これにより、離島や本州太平洋側を除いて、国内の分布域をほぼ網羅したサンプリングを達成することができた。採集したサンプルからDNA抽出を行ったが、当初予定していたMIG-Seq解析まで行うことはできなかった。
(2)については、生育密度や砂浜面積をすでに測定している新潟県内の10地点で、繁殖成功の指標として自然状態での結果率(花数に対する成熟果実数)を測定した。生育密度が高いほど結果率が高くなり、繁殖成功と生育密度の間には正の相関が認められた。また、4地点では、訪花昆虫の種類と個体数、採蜜行動の有無、採蜜行動をとった時間を測定し、ハチ類の訪花が最も多いこと、生育密度が高いほど訪花頻度が増加することを明らかにした。さらに、衛星写真から、各生育地の半径2kmの範囲内に広がる森林面積を求めた。しかし、周囲の森林面積と繁殖成功に関連はみられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

集団間の遺伝構造について、本年度中に分布域を概ね網羅するサンプリングを終わらせることができ、DNAの抽出まで行うことができた。しかし、当初予定していたMIG-Seq解析まで着手することができなかったため、「やや遅れている」と判断した。集団内の解析については、繁殖成功を測定することができ、当初の計画通り行えた。

今後の研究の推進方策

MIG-Seq解析を進め、解析環境の構築を行う。また、局所集団内の遺伝的多様性を調べるため、集団内の多数の個体からサンプリングを行い、MIG-Seq解析を行う。さらに、生育ニッチ(生育適地)の解明のために、局所集団内の地形の解析を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 海浜植物スナビキソウの生育密度と砂浜減少との関連性2023

    • 著者名/発表者名
      近藤 崇史・小宮山 佳奈・岩田 梓・林 清宇・石崎 智美
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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