研究課題
基盤研究(C)
都市に広く使用されているコンクリート製品には原料として石灰が含まれているため、舗装道路ぎわに堆積した土壌にはコンクリートから溶脱したカルシウム分が過剰に含まれており、アルカリ性を示す。一方、日本には酸性土壌が多く、日本の在来植物は酸性土壌に適応したものが多いと考えられる。土壌環境の違いは生育する植物の種構成に影響を与えるだけでなく、種内の適応進化を引き起こす環境要因となりえる。本研究は、代表的な人為的撹乱地である都市と農耕地の植物種構成を比較し、相互播種実験および集団遺伝学的解析を通して、都市化に伴う土壌環境の変化は植物の適応進化をもたらす原動力となっているのかを明らかにする。