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NGSを用いた,新規モデル植物Setariaの量的形質候補遺伝子同定と遺伝資源多様性評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K05279
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39060:生物資源保全学関連
研究機関県立広島大学

研究代表者

福永 健二  県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (50435533)

研究分担者 門田 有希  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (30646089)
大迫 敬義  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80363969)
阿部 陽  公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 主席研究員 (80503606)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードアワ / エノコログサ / 栽培化遺伝子 / ハマエノコロ / 適応性遺伝子 / QTL / 次世代シークエンサー / 候補遺伝子 / 次世代シークエンサー(NGS) / 量的形質遺伝子座(QTL) / 遺伝的多様性
研究開始時の研究の概要

地球温暖化や乾燥化など、グローバルな環境変動は先が読めない。アワなどの雑穀類は作付面積が減ってきているとはいえ、乾燥やストレスに強く、人類を数千年にわたって支えてきた作物である。アワと祖先野生種のエノコログサは、近年、ゲノムが解読されている。本研究では、アワ品種間、アワとエノコログサ、エノコログサと海岸生態型であるハマエノコロの間の組換え近交系について次世代シークエンサーを用いた詳細な連鎖地図作成を行い、量的な形質の解析を行い、バイオマス生産や種子生産、環境適応などに関わる遺伝子を割り出し、アワ・エノコログサ(Setaria) 遺伝資源の持つ遺伝的多様性を分子レベルで明らかにするものである。

研究実績の概要

アワ品種Yugu1と日本産エノコログサのF6集団120系統についてGRAS-Diで連鎖地図を作成した。この集団と連鎖地図を用いてspikelet-tipped bristles(stb)、葉鞘色、脱粒性、出穂期、外穎色などについて解析を行ったところ、予想される既知遺伝子が候補遺伝子として検出することができた。stbはHox14(Fukunaga et al. 2022)、葉鞘色はC遺伝子(Fukunaga et al. 2022)とその他二つの遺伝子、出穂期はPRR37(Fukunaga et al. 2022)と第3染色体の遺伝子、脱粒性は既報(Odonkor et al.2018) の位置にふたつのQTLが検出された。外穎色はSi7PPO(Inoue et al. 2015)に加え第9染色体の遺伝子の働きによるものであることが示唆された。また、草丈、穂の長さ、幅、分げつ数などについてもデータを取り、現在解析中である。
エノコログサとハマエノコロの集団についても105系統についてGRAS-Diを用いて草型のQTL解析を行ったところ、ハマエノコロの匍匐性の遺伝子について効果の大きなQTLが検出された。これはイネのPROG1がある領域に相当する領域であることが明らかになりこれについても解析中である。
さらに、台湾品種間の分離集団、日本の高知県在来品種と宮崎県在来品種の分離集団についてそれぞれ穂の形態に関わる遺伝子も解析しており候補遺伝子が絞り込まれている。
エノコログサA10.1についての形質転換の系も軌道にのりつつあり、現在形態形成に関わる遺伝子を解析中である。
これまでの成果についての総説を国際誌Plants に発表し、上記研究成果で4件の学会発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標通り、アワとエノコログサのRILsを構築しGRAS-Diを用いて連鎖地図を作成した。またいくつかの形質についてマッピングすることができた。現在量的形質について解析している。またエノコログサとハマエノコロについても同様に連鎖地図を作成し草型についての遺伝子のマッピングに成功した。現在候補遺伝子を絞っているところである。当初予定に対して順調であると評価できる。

今後の研究の推進方策

アワとエノコログサの集団については出穂期、草丈、分げつ数、穂長などの量的形質遺伝子のマッピングを試みている。環境による影響も大きな形質であるので、今年度も再度栽培し形質データを取る予定である。また質的形質については既知遺伝子以外の遺伝子も関わっていることが示唆されていたため、候補遺伝子の探索を行う。
ハマエノコロの集団についてはハマエノコロのゲノムが解読済みであるのでゲノム情報から遺伝子を絞り込む予定である。候補遺伝子PROG1の周辺には同じようなzing finger proteinがタンデムに並んでおり配列を比較することにより原因となる変異を探りたい。
また、アワ間の形態形質に関わる遺伝子の解析をすすめており穂の形態に関する原因遺伝子を絞り込んでいく予定である。遺伝子のマッピングと発現解析を行う予定である。
並行して形質転換の系なども立ち上げているが、安定した形質転換系の確立を目指したい。これにより上記のような候補遺伝子の機能解析を行えるようにしたいと考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Crop Evolution of Foxtail Millet2024

    • 著者名/発表者名
      Fukunaga Kenji、Kawase Makoto
    • 雑誌名

      Plants

      巻: 13 号: 2 ページ: 218-218

    • DOI

      10.3390/plants13020218

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アワの猫手(猫足)はYABBY遺伝子の変異か?2024

    • 著者名/発表者名
      福永 健二, 阿部 成, 阿部 陽, 濱下 求, 渡邊 いぶき
    • 学会等名
      日本育種学会 第144回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エノコログサとハマエノコロの雑種由来RIL集団を用いた草型の QTL解析2024

    • 著者名/発表者名
      平 大貴, 福永 健二, 大迫 敬義
    • 学会等名
      日本育種学会 第144回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アワ葉鞘色に関する遺伝解析及び変異型の地理的分布2023

    • 著者名/発表者名
      辻 誠也, 松山 さらさ, 伊藤 和江, 及川 香梨, 阿部 陽, 福永 健二
    • 学会等名
      日本育種学会 第144回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アワとエノコログサの RILs 育成と GRAS-Di 技術を利用した連鎖地図作成2023

    • 著者名/発表者名
      渡邊 いぶき, 中村 千里, 門田 有希, 福永 健二
    • 学会等名
      日本育種学会 第144回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 福永教授の総説論文が国際誌Plantsに掲載

    • URL

      https://www.pu-hiroshima.ac.jp/site/bioresourcesciencesf/review-plants.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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