研究課題/領域番号 |
23K05287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
國井 洋一 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (10459711)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MMS / 街路樹 / 地上レーザ / 3次元モデル / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
街路樹は,都市空間を創出する緑として重要な存在である.人工構造物の多い都市空間は,景観が無機質になりがちであるが,生き物である街路樹はそのような空間に安らぎや潤いを与える効果がある.街路樹の維持管理に対する現状としては,樹木医や街路樹診断士により,単木毎に観察してカルテの作成および更新が行われている.このような作業には多大な労力が必要となることから,維持管理が十分に行き届かない街路樹も必然的に増加することとなる.本研究ではMMSによる測量において街路樹の3次元情報が点群データとして取得されていることを明白利,応用性を学術的に追究することを可能とする.
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研究実績の概要 |
本研究では車道側よりMMS.歩道側よりTLSにて街路樹の3次元データを取得し,維持管理のためのデータベース構築を試行した.また,交通量の多い一般道における街路樹に着目し,その維持管理に対してレーザ測量を主軸とした空間情報技術を応用することを検討した.一般的なMMSは,地図を作成するために走らせることが目的であるため,街路樹の点群データが除去されることが多い.一方,本研究では通常と同様の走行データから街路樹を抽出し,樹高等のパラメータを現況として把握することと試みた.その結果,MMSによる街路樹のデータは十分に取得可能であり,現況把握が可能であることが認められた.さらに,近赤外画像センサにて撮影することによる状況の把握も試みた結果,取得された近赤外データから各樹木のNDVIを算出することにより,街路樹の活性度をそれぞれ把握することが可能となった.この成果は,街路樹に対する早急処理の不必要を定量的に示すものであるといえる.すなわち,これまでやむを得ず網羅的に強剪定が施されたような状況の街路樹においても,個体毎の活性度を詳細に得ることが可能となった.そのため,このような情報を活用することにより,街路樹に対する剪定等の維持管理についても,個体毎に相応しい手法を採用することが可能になると予測される
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,都市部の主要道路における街路樹の状況を簡便に把握し,維持管理できる仕組みを構築することを目的とした.具体的な手法としては,MMSによる測量を対象とする道路にて実施し,沿道における街路樹に対する3次元情報を取得した.これにより,得られた3次元情報から沿道を含めた街路樹の3次元モデリングを効率的に実行した.加えて,街路樹の無い空間においても新規のシミュレーションを可能とし,沿道の最適な空間づくりを支援するシステムの構築を可能とした.
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今後の研究の推進方策 |
今後はMMSに広角レンズによる近赤外センサが搭載され,レーザ測量による点群データと同時に近赤外画像を取得することが可能となれば,データ取得の効率性が大幅に上昇すると考えられる.現在はそのような機器のバージョンアップにも期待しながら,研究を継続して進めている.そのような技術を応用するために、多種多様な対象地を検討する予定である。
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