研究課題/領域番号 |
23K05289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
藤本 穣彦 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (90555575)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 最も美しい村 / 農と食の地域自給圏 / 農村計画 / ランドスケープ / 美の基準 / 農村文化 / 修景 / デザイン / 自然再生 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の「美しい村」については,その実態の解明や景観形成の戦略論についての本格的な研究に着手されていない。本研究では,地域の農的資源や文化的資源を感性的に評価し景観形成に活かす手法や,住民が主体となった文化景観形成の感性的評価手法を開発することを、「暮らしの美学」の景観デザインと捉え、それを表現し、実現することを目指す。日本の文化的景観の固有性を「暮らしの美学」として表現し,国際基準の観光まちづくりに生かす具体的な戦略を示す研究としたい。
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研究実績の概要 |
本研究は「暮らしの美学」を表現する景観デザインについて,日本の「最も美しい村」連合の15年にわたる感性的評価の積み重ね(=「美の基準」)を紐解き,研究するものである。「暮らしの美学」とは,地域の個性を文化景観,生業景観,生活景観の複合として束ねたものであり,住民が主体となって暮らしの中で磨き上げるものである。本研究では日本の小さく美しい村は,「暮らしの美学」をいかにして磨きあげ,表現してきたのか。それを評価し,品質管理する「美の基準」をいかに構築してきたのか。またいかにして指標を更新し,これからの「美しい村」を築いていくのか,を探究する。 1年目は,日本の「美しい村」結成のプロセスを紐解き,基本理念やキーコンセプトを抽出することを目標に,連合の立ち上げ事務局を担った北海道美瑛町職員へのインタビューを行った。収集した資料と合わせてデータベース化し「年表」とネットワーク「関係図」を作成し,「美しい村」結成プロセスの解明から「美しい村」の景観構成におけるキーコンセプトを抽出することができた。 また,2年目に予定していた里山モデル,城下モデルに関する探索的なフィールドワークにも着手することができ,ネットワークを構築すると共に,比較研究のための基盤を整えることができた。 質的分析では,これまでの審査記録や,資格委員会での「美の基準」や加盟の可否,格付けの意味内容の明確化に関する対話の記録などの収集を終えた。 以上の内容を統合的に分析して1年目の研究を総括し,現在,投稿論文のとりまとめ作業を行っている。今年度中の掲載を目指し,投稿を完了させたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目に予定していた,「美の基準(=感性評価指標)」に基づく評価指標の再構成のための比較研究に着手し,里山モデルの青森県田子町,城下モデルの長野県伊那市高遠町でのフィールドワークを行うなど,先行的に研究を進めることができた。1年目調査の研究論文のとりまとめと投稿ができれば,(2)おおむね順調に進展している,から(1)当初の計画以上に進展していると自己評価できるようになるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は,日本の国土・資源に応じた多様な他の資源タイプや生業に応じた感性的評価指標を開発するために,静岡県松崎町(漁業・里海),青森県田子町(中山間地域・里山),長野県伊那市高遠町(観光・城下町)の3カ所で「美の基準」の地元化と多様化のための住民ワークショップを行い,比較研究する土台を整えることを目指す。 また,2005年に結成されたNPO法人「日本で最も美しい村」連合は,2025年に20周年を迎えるにあたり,そのビジョンを更新し,ミッションを再定義すべく,対話を開始した。そうした場にもフィールドワークの対象を拡大し参与観察し,研究課題を発展的に解読すべく,探究していく予定である。
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