研究課題/領域番号 |
23K05296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
中島 義晴 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 室長 (50321625)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 近世庭園 / 近代庭園 / 庭園の地域性 / 庭園文化の継承 / 飛石 / 書院 / 屋敷構え / 庄屋 / 住宅庭園 / 豪農・豪商 / 出雲地方 / 文化遺産の継承 |
研究開始時の研究の概要 |
江戸末期から昭和初期にかけて、全国各地で豪農・豪商の住宅に庭園がつくられた。近年はそれらの公開・活用が進められており、庭園についても特性の把握や歴史文化的な評価が求められている。 これまで研究代表者は、短冊石の飛石等を特徴とする出雲地方の庭園を研究してきた。本研究ではその成果も利用して、近畿・中国・四国地方の住宅の庭園について、各庭園の特性、地域性およびその要因を明らかにする。 具体的には、庭園の現地調査を行い、全体及び構成要素等の意匠・構成について屋敷構えにも着目しながら園内の空間を区分して分析する。 研究成果は地域の保存会等と連携して現地での発信を図り、地域の文化遺産の継承につなげる。
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研究実績の概要 |
これまで研究代表者は、地域独特の意匠・構成で知られる出雲地方の庭園を対象に調査研究を進めてきた。それらの様式・地割や構成要素を分析した結果、先行研究で指摘されているように、気象条件や茶道の普及に起因して、飛石・手水鉢の形状・配置、燈籠の意匠・石材、樹木の仕立て方等に特徴があり、それが研究者や庭師・造園業者に地域性として認識されていることがわかった。また、作庭書や地域の名園の影響がうかがわれる事例もあった。 本研究では、それらの知見を利用しながら、対象を近畿・中国・四国地方に広げ(近畿・中国・四国地方の主に瀬戸内海に近い地域を中心とする)、江戸末期から昭和初期にかけて(概ね19世紀から20世紀前半とする)作庭された豪農・豪商の庭園の意匠・構成、材料に何が影響し、また、どのような地域性が見出されるのかを明らかにすることを目的とする。本研究で対象とする庭園は、地域の歴史文化遺産であり今後の地域づくりの拠点になり得るものが多い。また、高齢化によって、元の所有者が屋敷を手放す事例が増えると思われる。本研究では、研究成果を公開し、庭園の価値や魅力の周知を行う。 今年度は本研究の初年度であり、本研究課題の前に取り組んだ研究による成果を踏まえ、中国地方の近世から近代の住宅庭園に関する現地調査をおこない、出版物等に掲載されていない庭園の空間構成や飛石の写真撮影をおこない、情報を収集することができた。また、地域の庭園文化の継承に取り組んでいる団体の代表者に聞き取り調査をおこない、情報を収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、個々の庭園に関する現地調査・文献調査、庭園書に関する調査、所有者・庭師等への聞き取り調査を行い、庭園の全体および構成要素等の意匠・構成について分析する。研究成果を公開し、地域の文化遺産の継承につなげる。 今年度は本研究の初年度であり、本研究課題の前に取り組んだ研究による成果を踏まえ、中国地方の近世から近代の住宅庭園に関する現地調査をおこない、出版物等に掲載されていない庭園の空間構成や飛石の情報を収集することができた。また、地域の庭園文化の継承に取り組んでいる団体の情報を収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、江戸末期から昭和初期にかけて、住宅につくられた庭園の意匠・構成について、とくに近畿・中国・四国地方の豪農・豪商の庭園に焦点を絞り、それら庭園の個々の特性、各地の地域性およびその要因を明らかにすることである。 今後の研究では、個々の庭園の現地調査、近世以降の庭園に関する全国的な文献の調査、聞き取りによる地域ごとの庭園文化に関する調査を継続して行う。
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