研究課題/領域番号 |
23K05303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
板谷 明美 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (70447861)
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研究分担者 |
中田 知沙 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 任期付研究員 (10908891)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | WBGT / RMR / 森林作業 / 熱中症 / 気候変動 / 林業 / 労働負担 |
研究開始時の研究の概要 |
林業は足場の悪い山の中で伐採木など重量物を取り扱うため,身体的負担が大きく体温が上昇しやすい。危険な作業も多く,夏の屋外での作業であっても長袖・長ズボン,ヘルメット,安全靴,手袋などを着用することから熱ストレスを受けやすい環境である。本研究では,林業従事者があらかじめ熱中症のリスクを把握し,森林作業の安全性を高める対策を立てるための森林作業における熱中症リスクの可視化と共有システムの構築を目的とする。そのため,森林作業現場における暑熱環境を明らかにし,暑熱環境の許容基準にもとづいた森林作業の分類を行い,熱中症リスクの可視化を行う。
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研究実績の概要 |
林業は,足場の悪い山の中で伐採木などの重量物を取り扱うため,身体的負担が大きく体温が上昇しやすい。危険な作業も多く,夏季の屋外作業であっても,長袖・長ズボン,ヘルメット,安全靴,手袋などを着用しなければならない。毎年6,7人が熱中症を発症する。本研究では,林業就業年数が短い林業従事者であっても事前に熱中症のリスクを把握し,作業種や休憩時間の調整,水分補給など安全対策を講じることを可能にするために,「森林作業における熱中症リスクの可視化と共有システムの構築」をすることである。 本年度は,暑熱環境の許容基準にもとづいた森林作業の分類について調査解析を行った。生理負担としてRMRを文献から収集した。12の文献を調査したところ,同じ作業でも地形などの作業条件などによって異なるが,下刈りではRMRが1.29~8.6,毎木調査では1.45~4.55,間伐では2.39~5.74であった。日本産業衛生学会(2021)が示す作業強度ごとの暑熱環境(WBGT)の許容基準を各作業のRMRに当てはめた。その結果,下刈りでは作業強度が低い場合(RMR 1.29),WGBTが30.5℃以下で作業することが推奨された。一方,作業強度が強い場合(RMR 8.6)は,示される値が無いため,作業すること自体が推奨されない可能性があった。毎木調査では作業強度が低い場合(RMR 1.45),WBGTが30.5℃以下,作業強度が強い場合(RMR 4.55),26.5℃以下で作業することが推奨された。間伐では作業強度が低い場合(RMR 2.39),WBGTが29.0℃以下,作業強度が強い場合(RMR 5.74)は示される値が無いので,示される値が無いため,作業すること自体が推奨されない可能性があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RMRの調査も順調に行うことができ,森林作業ごとに許容される暑熱環境を示すことができた。また,夏季に7地点の森林作業現場での暑熱環境を測定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,森林作業のRMRをさらに収集し,許容される暑熱環境についてより多く森林作業で明らかにする。また,引き続き森林作業現場における暑熱環境の測定を行い,立地条件と生理負担による熱中症リスクの可視化を行う。
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