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植物防御反応がサクラ属野生種間の受精後隔離の成立を促進する

研究課題

研究課題/領域番号 23K05308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40010:森林科学関連
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

鶴田 燃海  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90809740)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード雑種崩壊 / 植物防御反応 / サクラ属 / 遺伝子発現解析
研究開始時の研究の概要

近縁な種間で交雑を繰り返した後代では、雑種不稔や適応度の低下が知られる(雑種崩壊)。この形質は作物等で育種の妨げになる一方、野生種においては近縁種間の遺伝子流動を制限し、種分化の維持に関わる重要な形質となる。しかし、雑種崩壊の原因となる遺伝子や仕組みについての理解は、大きく不足している。近年、いくつかの植物において、防御反応の過剰発現が雑種崩壊を引き起こすことが報告された。本申請課題では、サクラ属を対象とし、植物防御遺伝子の発現を野生種個体群から採取した大規模サンプルにおいて調査することで、野生種における雑種崩壊の機構および、種の多様性の維持との関連性を明らかにする。

研究実績の概要

雑種崩壊の程度を定量可能なマーカーを明らかにすることを目的に、人工交配および野生個体群から種子を採取して実生を育成し、生育不全(=雑種崩壊)の実生において特徴的な発現遺伝子の探索を行なった。
所内に植栽された雑種のサクラと、オオシマザクラ、ヤマザクラ、エドヒガンを人工交配することで(合計123花)、71個の種子を得た。加えて、栃木県日光市の国有林に生育する雑種と判定された個体(TK04およびTK09)より種子を採取した(60個)。これらの種子を低温湿層で3ヶ月以上保存した後、バーミキュライトの苗床に播種し、実生を得た。大部分の実生は健全な成長を示したが、一部、成長の遅い個体、途中死、未発芽のものが見られた。発芽したすべての実生から、遺伝子発現解析用に葉を採取し、RNAを抽出した。
これらの実生のうち、健全、生育の遅い個体(弱勢)、発芽後にほとんど成長の見られない個体(生育不全)それぞれ3個体ほどの発現遺伝子を、RNA-seqにより網羅的に調べた。健全な実生と比較することで、弱勢および生育不全の実生における発現変動遺伝子(DEG)を探索した。同定されたDEGの機能をBLASTおよびgene onthology(GO)から推定するとともに、enrichment解析を行うことで、弱勢、生育不全どちらの実生においても、活性酸素除去などに加えて病原体応答など植物の防御反応に関連した遺伝子が共通して高発現していたことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計画通りに様々な雑種実生を得ることができた。一方で、育児のための休暇を取得したことで、解析等に遅れが生じた。近々、新たに国内のサクラ属野生種でゲノムが公開される予定であり、これが利用できれば進捗の遅れを取り戻せる予定である。

今後の研究の推進方策

・得られた雑種実生において防御関連遺伝子の発現量をqPCRで定量し、雑種実生の形態と関連した発現をする遺伝子・マーカーを同定する。
・追加の雑種を交配親とした人工交配を行う。
・複数のサクラ属野生種が生育する自然個体群から、1母樹あたり50個を目安に8母樹以上から種子を採取し、実生を育成する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自然集団での雑種崩壊の理解に向けたサクラ属実生における遺伝子発現解析2024

    • 著者名/発表者名
      鶴田燃海
    • 学会等名
      第135回日本森林学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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