研究課題/領域番号 |
23K05318
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
|
研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
泉 桂子 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (10457898)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 林業公社 |
研究開始時の研究の概要 |
全国のほとんどの都道府県は1960-70年代に造林公社・林業公社といわれる法人を設立し、分収造林事業を行ってきたが、2000年前後には各地の公社の債務超過が問題視されるようになった。これまで、林業公社設立当時に期待された役割の検討や、公社分収造林地の契約終了後の再造林のあり方についての研究例がある。現在林業公社は大別して①公社・分収造林事業共に廃止、②分収造林事業存続、③公社廃止・分収造林地県営化の対応が取られている。本研究では(1)1980年代に公社事業を廃止した事例、(2)現在も公社が存続している事例、(3)公社廃止後の旧公社有林における黒字経営の事例を取り上げる。
|
研究実績の概要 |
文献調査(愛媛県立図書館他)・聞き取り調査(徳島森林づくり推進機構2023/8/17)を行った。 研究の問い1)の愛媛県林業公社の廃止理由については愛媛県議会議事録等をレビューしたが、有力な手がかりは得られなかった。ただ、当時の知事(白石氏)がトップダウン型の県政を行ったことは明らかとなったが、公社廃止との因果関係は判然としない。 研究の問い2)のなぜ事業を拡大する公社が存在するのかについては徳島公社を事例に調査を行った。徳島県の林業の概要については、森林所有は国有林が少なく、民有林が90%、そのうち私有林が80%を占めている。県土面積414,698ha(全国36位)、うち森林面積314,829haで森林率76%、人工林率は国民合わせて60%(人工林面積414,679ha)に及ぶ。県内の素材生産量は41.7万m3(2022年度)で全国10位、底であった17.7万m3(2005年度)の2倍以上に伸びている。 徳島県林業公社(現森づくり推進機構)の概要については、2002年段階で公社契約面積7,289ha(全国28/41位)、契約件数959件(30/41位)であった。現在は6800haであり、全国の公社の中でも小規模である。現推進機構の事業の特徴はa.公社有林を所有、(機構の森林経営面積2022年3月末現在で1万3137㌶のうち機構林が428㌶)b.素材生産が平成25年は5000m3ほどであったが、現在は5万立米にまで増加、c.企業の森づくり活動に積極的に参画、であった。 徳島公社がなぜ存続し、事業のウイングを広げられたのかについては、首長(知事)・副知事の森林・林業に対する姿勢、2004(平成16)年日亜化学からの10億円寄付、林野庁等による過去の公社支援政策に対する公社自身による能動的対応という仮説が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
科研費応募当初は保証されていた「バイアウト」を前提に研究計画を立てていたが、科研費採択後所属機関から「当機関ではバイアウトは認められない」との指示を受け、人件費の支出等が当初の予定どおり行えなかった。科研費が採択されバイアウト要員確保のため、奔走していたが、当機関でバイアウトが認められないことを知らされたのは5/24であった。申請者は講義や学内用務、アウトリーチ活動などにこれまでどおり時間を割いており、まとまった研究時間の確保が困難である。
|
今後の研究の推進方策 |
できるところから研究を進めていく。徳島公社・徳島県・関係者への調査を行うとともに、公社をめぐる状況が急変している滋賀県にも早急に調査を行う。また、学内外の用務を進めながら科研費課題に取り組む必要があるため、長期出張を伴わないで調査可能な岩手県林業公社のその後についても調査を進めていく。
|