研究課題
基盤研究(C)
地球温暖化による積雪減少が森林の有機物分解を促進し、大気への炭素放出を増やすことが懸念されている。特に日本のような比較的温暖な積雪地帯では、積雪減少によって有機物の分解が促進されると考えられるが、野外実験による検証はなされていない。本研究では、多雪地帯の標高の異なる森林で分解実験を行い、落葉と材の分解時に発生する微生物の呼吸速度や落葉と材の重量減少速度が、微生物の種類や現存量の変化を伴いながら、積雪減少に対してどのように応答するのかを明らかにする。最終的には、積雪地帯における微生物要因を考慮した有機物分解モデルを構築し、積雪減少によって生じる炭素放出量の変化予測の精緻化に貢献する。