研究課題/領域番号 |
23K05323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
米田 令仁 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00435588)
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研究分担者 |
田中 憲蔵 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (30414486)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 熱帯 / 生態系修復 / 再評価 / 樹木 / 成長 |
研究開始時の研究の概要 |
2000年前後に半島マレーシアで実施された生態系修復のための植栽試験地において、調査区を設定し毎木調査をおこなう。毎木調査の結果から植栽20~30年後の植栽木の生存率と成長量を明らかにする。調査の際、植栽木だけでなく幹の胸高直径(DBH)1cm以上の全ての樹木についても樹種の同定、樹高とDBHの測定をおこない、天然更新でどれくらいの樹木が増えたのか明らかにする。また文献による調査により、植栽木以外に確認される樹種の種子散布様式を確認し、植栽木による触媒効果があったのか明らかにする。これらの結果から過去に実施された試験を再評価し、熱帯地域の荒廃地修復技術の発展に寄与する。
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研究実績の概要 |
令和5年度の調査では2003年にマレーシア、セランゴール州の荒廃地修復試験地に植栽された9樹種について、植栽20年後の生残、樹高、胸高直径を再調査した。調査の結果、植栽前と直後の調査で9樹種の葉の生理機能と成長特性などから荒廃地植栽に不向きと判定された3樹種(Canarium pilosum, Cynometra cauriflora, Morinda citrifolia)についてはすべて枯死していたが、植栽に適していると評価されたArchidendron jiringa(マメ科;Aj)とAdinobotrys atropurpureus(マメ科;Aa)は平均樹高がそれぞれ13.3m、13.4mに達し植栽した樹種の中で高い樹高を示した。一方、Ajの生存率は25%、Aaは63%と大きく異なった。植栽前後に中庸な適正と評価された3樹種(Archidendron bubalinum, Bouea macrophylla, Syzygium sp.)は種間差が大きく、例えばSyzysium sp.(フトモモ科;Ssp)は20年後には平均樹高が12.5mに達し前述のAjやAaと同等の樹高成長を示し、植栽木の生存率も63%と高かった。一方、Archidendron bubalinum(マメ科)は今回の調査の結果、すべて枯死しており、樹高10mを越えた枯死木も確認した。以上のことから、植栽20年後の調査結果ではAaとSspの2樹種が高い成長と生存率を示したことから、本調査地の植栽に適していることが考えられ、植栽当時の予想と異なった。今回の結果から、植栽当時の評価を再検討し、生存や成長の種間差の要因を明らかにする必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、計画していたマレーシア、セランゴール州内の試験地で調査をすることができた。過去に植栽した樹木の毎木調査を実施したことに加え、新たに調査区を設定し、異なる植栽樹種による植生回復の違い、土壌深度を調査することができ、野外調査で予定していた調査は概ね実施することができた。令和5年度の研究計画では令和6年度以降の調査地の選定と調査許可をとるための交渉と手続きを進める計画になっていたが、当初予定してたペラ州、ネグリスンビラン州の候補地は既に伐採により森林は残っていなかった。そのため、カウンターパートであるマレーシア・プトラ大学林学部のMohamad Azani Alias准教授と協議し、カウンターパートから提案された複数の試験地について調査が実施できるか協議し、調査が可能な試験地を複数、選ぶことができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年の調査で設定した調査区内に出現した樹木の種構成を明らかにするために未同定樹種の同定作業を進める。樹種の同定作業はカウンターパートであるマレーシア・プトラ大学林学部のMohamad Azani Alias准教授と同学部内の標本館のスタッフとともにおこなう。同定された樹種について、種子の散布方式を確認し、植栽樹種の触媒効果があったのか明らかにする。また、20年前の植栽時に葉の生理特性と成長様式から予測した植栽樹種の適正に関して、植栽当時と異なる解析方法を用いて再検討する。 次の調査候補地について、調査に関する交渉と手続きを進める。また、カウンターパートから植栽直後から5年間の成長データを共有していただいたので、植栽初期のデータの解析を進め、複数ある調査区のうち再調査する調査区を選出する。調査許可がでたら調査に着手する。 再調査を実施する調査区の調査結果から植栽当初の評価と現在の状況を比較し、植栽当初の評価と現在の森林の樹種構成が一致しているのか確認する。一致しない場合はその原因を明らかにする。
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