研究課題/領域番号 |
23K05325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
白澤 紘明 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50629186)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 路網計画 / GIS / 林道 / グラフ / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
林業のために森林域に敷設される道路網は高規格な基幹道と低規格な森林作業道から構成される。我が国においては近年、森林作業道整備は進んできたものの、基幹道整備は決定的に足りておらず、林業の成長産業化を阻む大きなボトルネックとなっている。また、基幹道の整備目標については、画一的な目安は示されているものの、地域の特性を反映した適切な整備目標をどのように定めればよいか、その方法論は全くの不明である。そこで本研究では、日本全国を対象に基幹道の空間的配置を示すことで、地域ごとの整備目標を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本全国を対象に、地域の特性・条件を適切に反映した森林内の道路網(以下、路網)の整備目標を路網配置シミュレーションによって明示することである。研究の初年度には、路網配置アルゴリズムの開発を行った。この開発アルゴリズムは、計画区域全域の路網の空間的配置を決定する全体の問題を適切な部分問題に分解し、それらの厳密解を得て、統合して全体の解とするものである。ただし、この分解と統合において、最適性の原理は成立しないため、開発したのは精度保証のない近似アルゴリズムである。目的関数は費用対効果の最大化とした。「費用」とは路網の開設費用、「効果」とは路網開設による収穫費用の低減や未利用資源の利用拡大を指す。次に、シミュレーションに用いるGIS(地理情報システム)データの整備を行った。地形データは基盤地図情報(国土地理院)から、道路データは最適化ベクトルタイル提供実験(国土地理院)から、森林域の情報は国土数値情報ダウンロードサイト(国土交通省)から入手した。これらのGISデータはすぐに解析に用いることはできないため、解析に適した形式への変換作業を行った。さらに、当該地域における路網の設計指針を収集し、路網計画において順守すべき幾何構造等の条件を整理した。設計指針とは、路網整備の基本的な考え方や方向性、幾何構造を含め遵守すべき事項を記述したものであり、林業専用道と森林作業道について、国や都道府県が制定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画通り、路網配置アルゴリズムの開発、GISデータ(地形、既設道路、森林)の整理、路網作設指針の収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
開発したアルゴリズムを特定地域に適用し、路網の空間的配置を決定する。ここでは、地域の地形条件・林分条件に基づき現実に即した路網が配置されるように、現在使用できる最も詳細な広域GISデータを使用する。また、一つの配置パターンを示すのではなく、将来予想される様々なシナリオ(木材需要が変動するなど)を用意し、シナリオごとに配置パターンを得る。アルゴリズムの性能を評価するためには、既に路網が十分に整備されている地域において、既設路網を除去したうえで、開発アルゴリズムにより路網を配置し、この結果と既設路網を比較する。
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