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大規模災害時における大量の流木が含んだ土石流の荷重推定法

研究課題

研究課題/領域番号 23K05326
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40010:森林科学関連
研究機関防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)

研究代表者

堀口 俊行  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (30795703)

研究分担者 内田 太郎  筑波大学, 生命環境系, 教授 (60370780)
別府 万寿博  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード流木 / 流木捕捉工 / 衝撃荷重 / 流木の設計荷重 / 衝撃 / 荷重評価 / 数値解析 / 推定式
研究開始時の研究の概要

土石流の防災構造物としてコンクリートや鋼製の砂防堰堤が設置されており,最近では土石流は流木が多く混じっている.これは,森林管理が難しいことから立木や倒木が土石流と混じり流下している災害がみられ,流木群として運動形態や流木の流下構造が当初の砂防計画論とは異なる状態となっている.流木の大きさや形状を変えて構造物に作用する荷重を計測し,流木群の作用荷重について検討する.まずは,流木単体の耐衝撃性を検討するために落下衝撃実験を行い,衝撃荷重を計測する.さらに,流木の密度や形状における効果も考慮し,実験回数を重ねる.また,モデル実験を用いて流木群集化したときの荷重特性に与える効果を調べるていく.

研究実績の概要

1 目的と背景:今年度の研究の目的は,水路実験における流木の衝撃特性と縮小モデルにおける流木の衝撃力計測法について検討した.さらに,実験結果を基に個別要素法解析の再現性について検討した.
2 実験方法:①水路実験では,水路の上流部に流木を供給するためのベルトコンベアを配置し,捕捉工モデルに流木モデルを衝突させて荷重を計測した.流木モデルは3種類あり,流木長l = 60,120,180mmである.実験ケースは流木長に対して100,200,300本と変化させてた.②流木モデルの落下実験では,まずは使用する流木における静的な荷重におけるひずみを計測し,剛性と変形量の関係について調べた.その後,直径20mm,長さ400 mmの流木モデルを用いて落下高さを20~100cmまでを10cm刻みで落下させて,荷重と変形量について調べた.
3実験結果:①流木長における捕捉率にばらつきがあるが,捕捉率が大きくなるほど荷重が大きくなることを確認した.そのため,捕捉率が90%以上である結果のみを抽出して,衝撃荷重における支配パラメータを整理した.その結果,流木の堆積高さと流木の本数によって衝撃荷重が大きくなることを示した.また,長さが120mmで200本以上になると静水圧より大きな荷重が生じることを示した.②流木の落下実験は,落下高さが大きくなるにつれて荷重が大きくなるが,流木の変形量が大きくなるに従い,先端部が塑性化するため荷重が小さくなることで線形の関係で荷重が大きくならなかった.
4 結論:荷重の傾向は,勾配と流下してくる流木量の関係によって式を整理することで,実験式として推定することが可能であると考えれる.個別要素法における再現性は,実験ごとのパラメータを実施することで再現性できるが,全ケースにおける支配パラメータの抽出までには不明確なままである.今後は,設計堰を基にした推定式との比較を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度進めていく予定であった実験と解析については以下の通りである.
1 水路実験:過去に発生した砂防構造物の被災事例を調査してその状況を参考にしてモデル化した砂防構造物の水路を作成した.この際,河床勾配は変更できる構造とし,水理条件(流量、流砂量、流木量)を変えられるように工夫することができた.次に,砂防構造物に作用する荷重を計測する装置を作成して大量に流下してく流木の挙動と同時に荷重の計測ができるように検討する予定であったが,水路実験における荷重の計測法や単体の流木における衝撃荷重については実験設備と要領は概成した.
2 解析手法:流木と土砂の流れと構造物の相互作用を解析する手法としては、流木や構造物の形状を直接的に再現可能な粒子法や個別要素法が適している。個別要素法と流体則モデルにおける礫と土砂の同時解析を行うプログラムの適用性を検討した.次年度は,粒子法や連成解析について検討を進めていく.
3 流木調査(代表):現地で被災したデータを集めて実際に流下している流木の長さについて調査して平均的な長さの調査については,能登半島地震や他の災害地において適宜進めているが,流木を主とした災害については今後調査を進めていく.
上記の通り,各セクションによっては未完成な部分もあるが,実験や解析における仕組みについては概ね概成しており,順調に進捗している.

今後の研究の推進方策

1 実験:①水路実験は,流木の長さと太さについてもパラメータに入れて,衝撃荷重の計測を実施する.設計では流木捕捉工においては静水圧荷重のみで評価されていることから,実際にその設計式が十分であるかについて実験を通して要因分析を実施する.また,衝撃的な荷重が生じるのであれば,設計における土石流流体力の式と比較を行い,設計に使用できるパラメータを抽出する.②衝撃実験では,既往の研究との比較を行い,実際の流木を落錘装置から落とし,流木衝撃荷重の推定式を求める.その結果を基に,水路実験との荷重を相似側の関係から整理をする.
2 解析:個別要素法と粒子法における流体の特性を整理して,流木の衝撃荷重における再現性について検討を進めていく.現時点では,個別要素法と流速分布モデルにおけるOneway methodでの再現性については,パラメータを適切に設定することで再現できることが分かってきた.次の課題として,簡単なパラメータの設定要領と粒子法における流木の流れについて合わせていき,実験との再現性について検討を進めていく.
3 設計への反映 :流木における果汁評価については,設計まで検討されているものはあまりないので,現行設計式と実験得られた推定式を比較していく.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 個別要素法を用いた流木捕捉工に対する衝突荷重評価の検討2024

    • 著者名/発表者名
      村松賢,齋藤和樹,堀口俊行
    • 学会等名
      第51回土木学会関東支部技術研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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