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単分散性リグニンモデル高分子を基盤としたリグニン分子成長反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05327
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40020:木質科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

重冨 顕吾  北海道大学, 農学研究院, 講師 (20547202)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードリグニン / 成長機構 / 5-5'型結合 / ジベンゾジオキソシン / lignin / chain-growth / bulk polymerization / coniferyl alcohol
研究開始時の研究の概要

木材の20-30%を構成する巨大分子、リグニンの形成過程の解明を行う。リグニンの巨大分子化の過程として、ある程度成長した分子に一つ一つ分子が付加していくendwise機構と、成長した分子同士が結合するbulk機構が提唱されている。現在は前者が主要な機構であると考えられているが、リグニンの分子サイズを鑑みるに後者の関与も棄却できない。本研究では、申請者が独自に開発したリグニンモデル化合物を用いて、リグニン形成におけるbulk機構の関与を検証する。

研究実績の概要

本年度はリグニン成長機構の解明のため、単分散のβ-O-4型モデルポリマー前駆体の大量調製と分画を行った。有機合成したモノマーを重合条件に供したところ、数平均分子量1.6 x10^3、重量平均分子量=5.1 x10^3、PDI (分散度) 3.2程度の混合物を得た。フラクションコレクターとサイズ排除クロマトグラフを用いて分画を行ったところ、分子量の異なる画分を大量に取得することに成功した。それぞれの画分の重合度はおよそ2-32であり、PDIは1.1-1.4であった。また、リグニンの5-5'型結合の形成過程を解明することを目的に、標品となるコニフェリルアルコール5-5'型2量体の合成を行った。確立した合成法はジバニリンを出発物質としたもので、10グラムスケールへのアップスケールも可能であった。調製した2量体は西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を用いた脱水素重合においてコニフェリルアルコールと同程度の反応効率で重合し、生成する脱水素重合物の結合組成に大きく影響を与えることが明らかとなった。さらに、フェルラ酸重水素化物を用いた反応によって、5-5'型2量体の2箇所のβ位はともに結合形成に寄与することが確認された。これは5-5'型2量体がリグニン中の分岐に寄与する可能性を示すものである。さらに、この2量体を出発物質としてジベンゾジオキソシン型3量体の合成も達成した。この3量体は今後さらに分子成長機構の解明を行う上で重要な基質となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リグニンの成長機構解明に向けて、必要としていた各基質の合成を初年度のうちに達成できたため。

今後の研究の推進方策

調整したβ-O-4型モデルポリマー前駆体の分子量を決定するとともに、還元処理してβ-O-4型モデルポリマーとする。生成したポリマーの構造決定を行った後にそれらを基質とした脱水素重合反応を行う。得られた生成物の解析を行うことで分子伸長の評価を行う。また、調製したジベンゾジオキソシン3量体とフェルラ酸重水素化物を用いて、同様に脱水素重合反応による分子伸長を観察する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 5-5'型コニフェリルアルコール2量体の合成とその脱水素重合における反応性2023

    • 著者名/発表者名
      重冨顕吾, 鈴木栞, 浦木康光
    • 学会等名
      第68回リグニン討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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