研究課題/領域番号 |
23K05348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 賢彦 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (60443925)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 海洋酸性化 / 沿岸酸性化 / 地球温暖化 / 複合影響 / モデリング / 貝類養殖 / 緩和策 / 適応策 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋酸性化と地球温暖化の貝類養殖に対する複合リスクが今後、日本沿岸のどこで、いつ、どのように現れるかという、貝類養殖が実際に対策を講じる上で必要な予測はこれまでに殆ど実施されていない。本課題研究では、漁区レベルでの対策立案を可能にする高時空間解像度海洋物理・生物化学統合モデリングを行い、将来、酸性化・温暖化複合影響が貝類養殖にとって「危険水準」に達する海域と時期、及び温暖化に伴い将来貝類養殖が可能になる海域と時期を、CO2排出シナリオ毎に予測する。そして、本研究で得られる知見に基づき、貝類幼生の採苗場所・時期、種苗生産方法の変更等、具体的な酸性化・温暖化適応策を海域毎に提示する。
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研究実績の概要 |
日本沿岸の、幼生の天然採苗を主体とした貝類養殖が行われている海域、及び現在は天然採苗を行っていないが今後の温暖化の進行により新たに養殖が可能になると見込まれる海域を対象に、酸性化と地球温暖化が貝類養殖に及ぼす複合影響への対策立案のための将来予測を行うために必要な数値モデルの構築を行った。本年度は、河川から沿岸域への淡水や有機物の流入過程を再現できるように、研究代表者らが開発した中解像度海洋物理・生物化学統合モデル(Fujii et al., 2021)の水平解像度を数百mに、時間解像度を数時間毎に、それぞれ高解像度化した(Bernardo et al., 2023)。開発した高時空間解像度モデルを、日本沿岸の酸性化・温暖化観測点のうち、貝類養殖が行われていて、かつ、観測データを利用可能な観測点での水温、塩分、溶存無機炭素濃度等の物理・生物化学パラメータの観測値を初期値・境界値・参照値として上記モデルを駆動した。そして、酸性化・温暖化指標の日周・季節変化のモデル結果が各観測点での観測値を現実的に再現するように、モデルに組み込まれている生物化学パラメータの較正を行い、モデルの再現性を検証した(Fujii et al., 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究協力者の尽力により、モデルの構築が当初の予定よりも速やかに進展したため。
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今後の研究の推進方策 |
海洋酸性化と沿岸酸性化を明確に区別する必要性を感じたため、今回構築した高解像度海洋物理・生物化学統合モデルを海洋環境が時空間的に大きく変化する日本近海の複数の沿岸域に適用し、酸性化・温暖化複合影響プロセスのより明確な理解に繋げる。また、養殖対象種についても、現在はマガキを中心に扱っているが、今後はホタテガイ等、他の養殖種についても扱っていく予定である。
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