研究課題/領域番号 |
23K05349
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大越 和加 東北大学, 農学研究科, 教授 (20233083)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 非意図的移入種 / 人為的攪乱 / 環形動物 / スピオ科多毛類 / 水産養殖 / polydorids |
研究開始時の研究の概要 |
現在まで増養殖貝類に被害を与える種群について、日本国内のみならず、中国、韓国、オーストラリア、南アフリカ、USA、フランスとの共同研究が功を奏し、遺伝子配列を含む種の確定が行われた結果、それらは人為的な移動により生息地を拡大していることが示唆された。世界的に生息域を拡大した一部の種群については分布、生活史、被害発生過程等の知見が得られている。今後は、分子生物学的手法を用いて種の移動の履歴や手段を明らかにし、また、生物学的防除につなげるために再生産、幼生の発生様式、着底期などの生物学的知見を得、人為的移動に関する包括的な理解に基づいた対策や提言へとつなげる。
|
研究実績の概要 |
水産業に関わるスピオ科多毛類、特に貝類養殖の輸出入に伴い本来生息しない海域へ移動し侵略的外来種として報告されている Polydorids の現状把握、種の確定、侵蝕状況、生態学的知見について調査研究を行った。 7月にInternational Polychaete Conference が南アフリカ、ステレンボッシュで開催され、大会において日本のスピオ科多毛類についての研究発表を行った。また、南部のマッセル湾に調査に行き、イガイ貝殻に穿孔する種群を見つけた。 9月に北海道東部、厚岸湾、網走湾、能取湖に生息する天然と増養殖貝類に生息するスピオ科多毛類の種、侵蝕状況の結果について、遺伝子解析の結果を加えて日本水産学会秋季大会において発表し、議論した。 フランスノルマンディーはカキ養殖が盛んに行われているが、そのカキの貝殻に生息している多毛類について未だ研究されていない東部でのフィールド調査を10月に行った。養殖貝類のみならず、天然の貝類の貝殻に生息する種について調べた。その結果、沿岸に固着するマガキ貝殻に生息する種群、石灰岩に生息する種群を発見し、形態学的、生態学的、分子生物学的解析を行った。同時に、西部の養殖マガキに生息する種群についても採集し、比較検討した。また、Coast Caen、日仏海洋学会シンポジウムがフランス、カーンで開催され、水産業で問題となる種群についての研究成果を発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国外、国内共にフィールド調査をほぼ行うことができたため、順調に目的とするサンプルを採集することができた。また、解析結果についてもおおむね学会や大会で公表することができた。遺伝子解析については解析できていない領域が残っているため継続する。
|
今後の研究の推進方策 |
国外、国内の貝類養殖にとって負の影響を与えているスピオ科多毛類の種群がどのような経路で本来生息していない海域に運ばれそこで繁殖しているのかについて明らかにするため、問題となっている種ごとに世界各海域の個体群を分子生物学的手法を用いて解析し、追跡を行う。
同時に、種ごとに分布、発生様式、寿命等、生物学的特徴についての基礎研究を継続する。 また、種により形態学的多様性、遺伝学的多様性が高いものと低いものが見られるが、その特徴を明らかにし、原因について議論する。
成果発表の機会を増やして得られた結果の公表を継続し、かつ、他の研究者と議論する。
|