配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究実績の概要 |
本年度は、主に以下の研究を行った。 1.黒変病と関連していると考えられているTenacibaculum以外のアコヤガイ常在菌でも黒変が形成される検討した。アコヤガイの外套膜から分離された9株の細菌をアコヤガイ(2 年貝)の左外套膜外腔に各株3個体に接種し,止水水槽,無給餌,25°Cで2週間飼育した後,黒変の有無と重度を観察した。各株1 個体の黒変部からDNA を抽出し,細菌 16S rRNA のメタゲノム解析を行った。つぎに,黒変の重度が高かったPseudoalteromonas 属2株を各株20個体ずつの左外套膜外腔に真珠筏(水温約26-29°C)に垂下し,接種後,10,20,30 日後に5 個体ずつ取り上げ,貝殻内面の観察と30 日後の黒変部の細菌叢のメタゲノム解析を行った。その結果,重度の違いはあるが,接種した9 株全てで黒変が認められた。その内,Peudoalteromonas 属2 株を接種し誘発された30 日後の黒変部の細菌叢は,7/8 個体でTenacibaculumsp.が優占していた。よって,Tenacibaculumは他要因で形成された黒変部において増殖し,優占種となることが推察された。 2.アコヤガイの夏季萎縮症ウイルス感染後の外套膜の遺伝子発現の網羅的解析をRNA-seqにより行った。PiBVを含む病貝の体液をアコヤガイ(3年貝)に接種し,RNA-seq解析を行った。接種前と各サンプリング日の間で数百の発現変動遺伝子(DEG)が得られた。これらのDEGと経時的変動の各クラスターの遺伝子は自然免疫やウイルスに対する防御反応等が多くを占め,これらはPiBV感染によるアコヤガイ外套膜の遺伝子発現変動の特徴を表すものと考えらた。
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