研究課題/領域番号 |
23K05364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
河合 俊郎 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (20462806)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 種多様性 / 深海性魚類 / ワニトカゲギス目 / ハダカイワシ目 / 軟骨魚類 / 種分類 / 深海魚 / 魚類相 / プーケット |
研究開始時の研究の概要 |
世界の海では酸素極小層と呼ばれる溶存酸素量が60μmol/lを下回る海域が、北部インド洋および北部から東部太平洋の水深約1,000mまでの深海域に広がっている。特に北部インド洋では北へ行くほど溶存酸素量が低くなり、溶存酸素量が5μmol/lを下回る酸素極小層が存在していることが明らかとなっている。本研究は北部インド洋に位置するアンダマン海深海域の酸素極小層(水深約200mから1,000m)を対象として魚類の種多様性を解明することによって、溶存酸素濃度が深海性魚類相に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和5年度は6月と12月にそれぞれ約2週間、プーケット海洋生物学研究所を訪問し、種同定、写真撮影と形態学的データを収集した。6月は北海道大学大学院水産科学研究院の大学院生と2名で訪問した。一部の標本は借用し、帰国後に北海道大学大学院水産科学研究院にて、標本観察を引き続き行った。令和5年度は主にワニトカゲギス目魚類、ハダカイワシ目魚類と軟骨魚類を対象として、研究を進めた。 ワニトカゲギス目魚類はヨコエソ亜目3科(ユメハダカ科、ヨコエソ科とムネエソ科)とギンハダカ亜目2科(ギンハダカ科とワニトカゲギス科)の2亜目5科28種に分類された。その内の下記の11種はアンダマン海からの初めての報告例となった。ヨコエソ科魚類はManducus greyae、ギンハダカ科魚類はPollichthys mauli、ワニトカゲギス科魚類はAstronesthes formosana、Astronesthes indopacifica、Borostomias mononema、Bathophilus pawneei、Eustomias bifilis、Leptostomias multifilis、Melanostomias melanops、Photonectes (Photonectes) albipennis、Idiacanthus fasciola。 ハダカイワシ目魚類はソトオリイワシ科2種とハダカイワシ科22種に分類された。その内の下記の8種はアンダマン海からの初めての記録と考えられる。ソトオリイワシ科はScopelengys tristis、ハダカイワシ科はDasyscopelus spinosus、Diaphus garmani、Diaphus impostor、Diaphus signatus、 Bolinichthys pyrsobolus、Lampanyctus crypticus、Lampanyctus macropterus。 軟骨魚類はギンザメ目(ギンザメ科1種とテングギンザメ科1種)、メジロザメ目(トラザメ科2種)、シビレエイ目(Narcinidae科1種)とガンギエイ目(ガンギエイ科1種)の4目5科7種に分類された。ギンザメ目ギンザメ科魚類のHydrolagus deaniは採集例が少なく、Hydrolagus mitsukuriiの同種であるとする見解も知られていたが、有効種であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では今年度はワニトカゲギス目、ハダカイワシ目、ヒメ目を対象として、研究を進める予定であった。ワニトカゲギス目魚類を対象とした観察は終了し、その結果をまとめ、論文として学術雑誌に投稿し、出版された。ハダカイワシ目魚類を対象とした研究についても観察は終了し、その結果は学術雑誌へ投稿中である。ヒメ目魚類については種同定の困難な標本が発見されたため、観察中である。 今年度の予定ではなかった軟骨魚類を対象として観察を進め、標本観察は終了し、その結果を学術雑誌へ投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度と令和7年度は研究代表者と北海道大学大学院水産科学研究院の大学院生がプーケット海洋生物学研究所を訪問する。令和8年度は研究代表者がプーケット海洋生物学研究所を訪問する。 令和6年度はアシロ目とヒメ目を対象として、令和7年度はアンコウ目とタラ目を対象として、令和8年度はウナギ目を対象とする。研究過程は令和5年度と同様で、種同定、写真撮影と形態学的データの収集を行う予定である。 令和8年度に実施予定のフィールドガイドの制作等は当初の予定通り、実施予定である。
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