研究課題/領域番号 |
23K05365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
塚越 英晴 岩手大学, 農学部, 助教 (30757688)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | サケ / ふ化放流 / 遺伝的多様性 / 三陸 / 自然産卵 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,三陸岩手サケの回帰資源の減少が著しく,資源の大幅な低迷が続いている.サケ資源の持続的利用のために遺伝的多様性の維持に配慮した種苗生産の実施は非常に重要であり,種苗生産の評価・見直しに資する基礎的情報が必要である. そこで,本研究では分子遺伝マーカーを用いて,自然産卵床に寄与する親魚数を推定し,自然産卵に係る親魚雌雄比と種苗生産のものとの差異を明らかにする.自然産卵と種苗生産に寄与する各親魚雌雄比から次世代の遺伝的多様性を推定し,両者の比較から,現行の種苗生産の雌雄比が次世代の遺伝的多様性に及ぼす影響を考察する.
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研究実績の概要 |
本研究は岩手県の水産重要種であるシロザケ(サケ)の種苗生産で用いられる親魚の雌雄比率の検討へ向けた基礎的情報を得ることを目的として,自然産卵床に寄与する親魚数を推定し,自然産卵に係る親魚の雌雄比と種苗生産のものを比較する.加えて,自然産卵および種苗生産に係る親魚雌雄比に基づき各々の次世代の遺伝的多様性を分析・比較する. 研究実施初年度では,サケが遡上する秋から冬にかけて,産卵床に寄与する親魚数の推定のために分析標本(発眼卵)を採集することを計画していた.当該年度10月から12月までの期間,複数回にわたり,過去に産卵床から発眼卵を採集した実績のある北上川水系稗貫川を中心に採集調査を実施したが,いずれの調査においても産卵床を確認することができず,分析標本を採集することができなかった.近年,岩手県のサケの回帰資源は大幅に減少しており,昨年度ではより一層の減少が報告されている.調査河川においても例年と比べて遡上尾数が著しく少なくなったことにより,産卵床を確認できず分析標本を採集できなかったと考えられる. 申請者は過去(2021年度および22年度)に稗貫川の産卵床から予備的に採集した分析標本を有していることから,これらの分析標本を対象にDNA抽出を行い,推定に使用する分子遺伝マーカーの検討など遺伝分析へ向けて準備を進めている状況である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施初年度では産卵床に寄与する親魚数の推定のための分析標本(発眼卵)を採集する計画であった.申請者が採集した実績のある北上川水系稗貫川を中心に調査を実施したが,産卵床を確認することができず,分析標本を採集することができなかった.近年,岩手県のサケの回帰資源は大幅に減少しており,昨年度ではより一層の減少が報告されている.調査を実施した河川においても,例年と比べて遡上尾数が著しく少なくなったことにより,産卵床を確認できず分析標本を採集できなかったと考えられる.以上のように,分析標本の採集が順調に進んでいないことから,遺伝分析に着手できず進捗が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に計画していた分析標本の採集について遅れがみられることから,次年度も引き続き,分析標本の採集を重点的に行う.これまで採集実績のある河川において採集調査を継続するとともに,水産関係者などからサケの産卵床に関わる情報収集を行い対象河川を追加して採集調査を行う計画である. 加えて,申請者は過去に稗貫川の産卵床から予備的に採集した分析標本を有していることから,次年度の調査時期までの間に,これら標本を用いて推定に使用する分子遺伝マーカーの検討など遺伝分析へ向けた準備を進める.採集調査により分析標本が揃い次第,遺伝分析に着手する.
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