• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アオコ由来肝臓毒Microcystin-LRの形質転換細胞誘導機序の解明と毒性抑制食材の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K05384
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40040:水圏生命科学関連
研究機関鹿児島大学

研究代表者

小松 正治  鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 教授 (30325815)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードMicrocystin-LR / 上皮・間葉転換 / 間葉・上皮転換 / アノイキス抵抗性 / microcystin-LR / リン酸化
研究開始時の研究の概要

Microcystin-LRがもつ急性毒性(肝細胞死による肝不全:第1毒性)と慢性毒性(細胞増殖亢進による肝発がん:第2毒性)の発現の分岐機構を解析するなかで副産物的にMicrocystin-LRの新奇第3毒性である細胞の形質転換能(アノイキス抵抗性および細胞骨格の再編成)の誘導能を発見した。
本研究ではMicrocystin-LRの(1)第3毒性の発現機序と(2)代謝機序を解明する。さらに,(3)Microcystin-LRの毒性を抑制する天然化合物を探索し,有望な結果が得られた化合物が主要成分として含有される鹿児島県産の食材を選定し,それら生物資源の抽出物にも同様の機能性が検出できるか否かについて「医食同源」をイメージして検討を加える。

研究実績の概要

Microcystin-LRは,その曝露条件次第で正反対の細胞応答である細胞毒性と細胞増殖活性を促進する。近年、我々はMicrocystin-LRの新奇で独立な2つの機能性として上皮・間葉転換(EMT)様/間葉・上皮転換(MET)様の形質転換および細胞骨格再編成の誘導能を発見した。このユニークなMicrocystin-LRの新奇な機能性の誘導機序の解明をめざすことで細胞毒性と細胞増殖活性の細胞応答の分岐機序を明らかにすることを目指し解析した。以下に得られた結果をまとめる。
Microcystin-LR誘導型のEMT様/MET様形質転換細胞のHEK293-OATP1B3-FLおよび細胞骨格再編成細胞のHEK293-OATP1B3-ADは、親細胞のHEK293-OATP1B3に比べて低酸素・低栄養・薬剤耐性等のストレス抵抗性を獲得していることが確認された。そこで、これらの2種類の形質転換細胞の前駆細胞であるHEK293-OATP1B3-preFL細胞も含めてストレス抵抗性の獲得、そしてその分子機序の解析を詳細に行った結果、接着性のHEK293-OATP1B3-FL細胞では、Eカドヘリンのタンパク質発現量が減少し、Nカドヘリンには大きな変化は認められなかった。一方、浮遊性のHEK293-OATP1B3-preFL細胞においてカドヘリンスイッチが遺伝子発現レベルにおいて検出された。すなわち、Eカドヘリンの発現量が低下し、Nカドヘリンの発現量が上昇した。
また、HEK293-OATP1B3細胞を用いてMicrocystin-LRの細胞毒性抑制能を有す食材の探索を試みた結果、ゴマの葉と実、オリーブの実、アオサ、柑橘類数種の実、果皮、葉、ショウガ、ウコン、ブロッコリースプラウト、コーヒーの実と葉、サトウキビの葉の抽出液にMicrocystin-LRの細胞毒性減弱能が検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の令和5年度の研究実施計画の①Microcystin-LRの毒性発現機序および新たな機能性の探索、および②Microcystin-LRの毒性抑制能を有す食材の探索の双方ともについては順調に研究成果が得られつつある。

今後の研究の推進方策

当初の令和6年度の研究実施計画の①Microcystin-LRの毒性発現機序および新たな機能性の探索、および②Microcystin-LRの毒性抑制能を有す食材の探索をさらに進展させる。すなわち、①については、Microcystin-LR誘導型の形質転換細胞の性状解析を進め、低栄養抵抗性の分子機序の解明の糸口を探る。②においては、生物資源の活性本体の同定を試み、それぞれの物質と活性の程度の構造・活性相関について解析する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Microcystin-LR-induced epithelial-mesenchymal transition-like cells acquire resistance to multi-toxins.2024

    • 著者名/発表者名
      Shota Takumi, Masaru Tomioka, Yasunari Yunoki, Risa Eto, Yumiko Komatsu, Kazuhiro Shiozaki, and Masaharu Komatsu
    • 雑誌名

      Toxicon

      巻: in press ページ: 107592-107592

    • DOI

      10.1016/j.toxicon.2023.107592

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Elucidation of the mechanism of nuclear localization of Mexican tetra Neu4 via bipartite nuclear localization signal and less conserved regions2023

    • 著者名/発表者名
      Toshiki Hyodo, Akinobu Honda, Satsuki Yamate, Yurina Kubo, Masaharu Komatsu and Kazuhiro Shiozaki
    • 雑誌名

      Biochimie

      巻: 212 ページ: 123-134

    • DOI

      10.1016/j.biochi.2023.04.012

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acteoside from Conandron ramondioides reduces microcystin-LR cytotoxicity by inhibiting intracellular uptake mediated by OATP1B3.2023

    • 著者名/発表者名
      Shota Takumi, Kairi Hashimoto, Masaru Tomioka, Mina Sato, Weijie He, Yumiko Komatsu, Shunji Aoki, Ryuji Ikeda, Kazuhiro Shiozaki, Tatsuhiko Furukawa, Masaharu Komatsu
    • 雑誌名

      Planta Medica

      巻: 89 ページ: 616-623

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 動脈硬化症の予防に有効な食品成分の探索2024

    • 著者名/発表者名
      安藤和毅、池田樹生、内匠正太、小松正治
    • 学会等名
      第94回 日本衛生学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 亜ヒ酸の細胞毒性における有機アニオン輸送体OATP1B3の関与2024

    • 著者名/発表者名
      山田珠緒、安藤和毅、内匠正太、小松正治
    • 学会等名
      第94回 日本衛生学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 柑橘類を用いたアオコ毒Microcystin-LRの細胞毒性抑制効果の検討2024

    • 著者名/発表者名
      芝佳奈、江藤里紗、内匠正太、小松正治
    • 学会等名
      第94回 日本衛生学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肝臓毒Microcystin-LRの細胞毒性に及ぼすゴマの葉成分アクテオシドの影響2023

    • 著者名/発表者名
      小松正治、江藤里紗、佐藤三奈、塩崎一弘、内匠正太
    • 学会等名
      第38回 日本ゴマ科学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フェニルエタノイド配糖体ActeosideがMicrocystin-LRの細胞毒性に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      江藤里紗、内匠正太、柚木康克、塩崎一弘、小松正治
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 亜ヒ酸によるコレステロール輸送体ABCA1の分解促進機序の解析2023

    • 著者名/発表者名
      池田樹生、田村優佳、内匠正太、小松正治
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肝臓毒Microcystin-LR曝露で賦与される低酸素抵抗性の分子機序2023

    • 著者名/発表者名
      柚木康克、内匠 正太、江藤里紗、塩崎 一弘、小松 正治
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi