研究課題/領域番号 |
23K05387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
千葉 映奈 新潟薬科大学, 医療技術学部, 講師 (80609660)
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研究分担者 |
山下 菊治 新潟薬科大学, 医療技術学部, 教授 (30182497)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂肪蓄積メカニズム / 養殖技術 / メダカ |
研究開始時の研究の概要 |
水産物の漁獲量が減少する中、安全で品質の高い養殖魚を効率よく生産するための技術開発は世界的な課題である。養殖魚の品質において、脂質は重要な確定要素であり、魚体の脂肪蓄積をコントロールする技術開発は必須である。しかし、その技術開発の基礎的知識となる分子レベルの脂肪蓄積メカニズム解明には至っていない。したがって本研究では、実験モデル動物として確立されているメダカを用いて、魚体における分子レベルでの脂肪蓄積メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、メダカを用いて、魚体における分子レベルでの脂肪蓄積メカニズムを解明することである。このメカニズムが明らかになれば、養殖魚の品質を決める要素として重要な「脂の乗り」のコントロールを可能にする養殖技術の発展に貢献できると考えられる。 この目的を達成するため、本年度の研究では魚類の内臓脂肪細胞、皮下脂肪細胞、筋組織において脂肪が蓄積されるとき、それぞれで遺伝子発現にどのような変化があるのか明らかにすることを目指した。方法は、まず、メダカに脂肪蓄積を起こさせるため、高脂肪食を摂取させた。この高脂肪食摂取メダカと、普通食を摂取させたメダカ(コントロール)の脂肪蓄積を肉眼的、組織学的観察によって調べた。その結果、高脂肪食摂取メダカでは内臓脂肪、皮下脂肪が増加していることがわかった。また、高脂肪食摂取メダカでは、多くの筋細胞の細胞内において脂肪滴が見られた。また、筋組織全体を観察すると、筋細胞の間に結合組織や脂肪細胞がコントロールと比較して増加していた。次に、コントロールと高脂肪食摂取メダカについて、内臓脂肪細胞、皮下脂肪細胞、筋における脂肪蓄積関連遺伝子の発現量を調べるためRT-qPCRを行った。 また、筋脂肪蓄積には「筋細胞内脂肪蓄積」と「筋線維間脂肪細胞による脂肪蓄積」があり、哺乳類における筋線維間脂肪細胞は、骨格筋間にあるPDGFRα発現間葉系前駆細胞が分化することで出現することがわかっている。よって、魚類でも哺乳類と同様の機序が働いているのか明らかにするため、まずPDGFRα発現間葉系前駆細胞の存在の確認を目的とし、免疫染色を行った。その結果、陽性細胞は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来のプロトコルでRT-qPCRを行ったところ正常な増幅曲線が得られず、実験条件の見直しを行っていたため当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
RT-qPCRについては実験条件を確立し、コントロールと高脂肪食摂取メダカの内臓脂肪細胞、皮下脂肪細胞、筋における脂肪蓄積関連遺伝子の発現量をとらえる。そして、それぞれの細胞での遺伝子発現にどのような特徴があるか明らかにする。PDGFRα発現間葉系前駆細胞については、抗体の交差性の問題も考えられるため、他の方法での確認を行うことを検討している。
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