研究課題/領域番号 |
23K05395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長富 潔 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (40253702)
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研究分担者 |
平坂 勝也 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 准教授 (70432747)
吉田 朝美 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (80589870)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 活性酸素生成系 / 酸化ストレス / プログラム細胞死 / マクロファージ系細胞株 / プロモーター / 転写制御 / Edwardsiella tarda / 宿主免疫回避 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では エドワジエラ症の原因菌Edwardsiella tardaの生菌がマクロファージに貪食された後の宿主応答に着目し、E.tarda 感染に伴うマクロファージの酸化ストレス応答、活性酸素生成系の食細胞 NADPH オキシダーゼのタンパク質間相互作用、iNOSの転写制御、並びに感染初期のプログラム細胞死の誘導制御を明らかにすることにより、E.tarda 強毒株による宿主免疫回避の分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では Edwardsiella tarda ( E. tarda ) 生菌がマクロファージに貪食された後の宿主応答に着目し、E. tarda 感染に伴うマクロファージの酸化ストレス応答、活性酸素生成系の食細胞 NADPH オキシダーゼのタンパク質間相互作用、誘導型 NO 合成酵素 ( iNOS ) の転写制御、並びに感染初期のプログラム細胞死の誘導制御を明らかにすることを目的とした。
本年度は、マウスマクロファージ系細胞株 RAW264.7 に E. tarda 強毒株、もしくは弱毒株を貪食させた後、細胞外殺菌を施し、細胞内に E. tarda が取り込まれた状態で経時的に細胞、培養上清を回収し、各実験に供した。活性酸素生成系について、細胞内 O2- 産生能は DHE 法、食細胞 NADPH オキシダーゼ構成タンパク質 p47phox はウェスタンブロット法により検出した。また、NO 産生能は Griess 法、iNOS mRNA発現量はリアルタイム定量 PCR 法により測定した。その結果、RAW264.7 細胞における細胞内 O2- 産生能は E. tarda 両菌株暴露に伴い有意に上昇し、食細胞 NADPH オキシダーゼの活性化も確認された。一方で、NO 産生能並びに iNOS mRNA の発現は、E. tarda 両菌株暴露に伴い有意に上昇したが、E. tarda 弱毒株に暴露した細胞に比べ、強毒株に暴露した細胞が有意に低い結果を示した。従って、E. tarda 暴露に伴う NO 産生能の差が病原性に関わる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食細胞 NADPH オキシダーゼのタンパク質間相互作用の検証はやや遅れている状況ではあるが、E. tarda 強毒株、もしくは弱毒株暴露に伴うマクロファージ系培養細胞の細胞内 ROS 産生能、並びに E. tarda 感染による酸化ストレスに伴うヒラメ Cu,Zn-SOD 遺伝子の転写制御領域の解析で得られた新知見は国際学術雑誌 Biochimie に掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
食細胞 NADPH オキシダーゼ構成タンパク質に対する特異抗体を用いたウェスタンブロット法とフローサイトメトリー法によるタンパク質間相互作用の検証を行う。更に、E. tarda 感染初期における DNA 断片化と caspase-3 の活性化によるプログラム細胞死の誘導制御の検証も進めていく。
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