研究課題/領域番号 |
23K05397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
横山 芳博 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (90291814)
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研究分担者 |
今道 力敬 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (00570194)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 抗炎症 / 海洋付着生物 / 一酸化窒素 / 抗炎症性 / 海洋生物 |
研究開始時の研究の概要 |
対象動物抽出液から各種溶媒を用いた溶媒分配により抗炎症成分を粗精製し、さらに、中・高圧液体クロマトグラフィーを用いて、抗炎症成分を精製する。次に、精製された成分が新規化合物であるのか、あるいは、既知化合物であるのか検定する。新規化合物であった場合には、構造解析を行うとともに、培養細胞レベルでの作用機序(情報伝達から炎症メディエーター放出までの一連の反応に対する作用ポイントは何処か)を明らかにする。既知化合物であった場合においても、その成分がNO産生阻害活性に関して未知であれば、同様に抗炎症性の作用機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本沿岸に見られる海洋付着生物由来の新規抗炎症性化合物を同定・機能解明すること、および抗炎症性化合物の新しい機能性の発見を目的としている。当該年度では、海洋付着生物としてイガイ類、カメノテ類、ホヤ類を試料として選定し、一部は日本海若狭湾で採集した。試料を有機溶媒抽出後、ロータリーエバポレーターにより濃縮させた。それらの濃縮物の抗炎症活性を測定した。抗炎症活性は、マウスマクロファージ様RAW264.7細胞を大腸菌由来LPSにより刺激し、産生される一酸化窒素(NO)量を指標として求めた。LPS刺激により亢進したNO産生量は、一部の生物種由来抽出液の添加により抑制された。続いて、抗炎症活性を認めた試料を用いて抗炎症成分の精製を試みており、現在、各種クロマトグラフィーにより抗炎症成分を精製中である。今後は、試料となる抽出液を大量調製し、抗炎症活性を示す化合物の精製を進めるとともに、NO産生を抑制する抗炎症成分の摂取が疾患病態に与える効果を検討するためのin vivo評価系を構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RAW264.7細胞を用いたNO測定系により海洋付着生物由来の抽出液に抗炎症活性を見出すことができたことから、研究は順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、前年度に引き続き、研究試料となる海洋付着生物の採捕・収集を進める。また、NO産生の抑制を認めた抽出液よりNO産生を抑制する抗炎症成分の精製を進める。さらに、抗炎症成分のin vitro評価系として、炎症反応関連因子のマスターレギュレーターである転写因子NFκBの活性化抑制を検出できる細胞培養系を構築する。それらと同時に、マウスや小型魚類を用いた抗炎症成分のin vivo評価系(マウス・小型魚類)を確立することを目標とする。これらの方策をとることで、海洋付着生物由来の抗炎症成分の作用機構の解明および個体レベルでの有効性の検証を行う。
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