研究課題/領域番号 |
23K05409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
園田 正 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60329844)
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研究分担者 |
VU THIBICHLIEN 名古屋経済大学, 経済学部, 教授 (60747880)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ベトナム / バングラデシュ / 農業生産性 / 生産関数 / 市場発展 / 農業 / 集計生産性 / 資源再配分 / ミクロ・パネルデータ / 開発途上国 |
研究開始時の研究の概要 |
開発途上国の経済発展には農業の生産性の向上が重要な役割を果たす。近年の生産性分析では,ミクロ・パネルデータに基づき,個別生産者の生産性とともに,国,地域,産業内の資源再配分に注目した集計生産性を分析している。本研究は,市場発展が進むベトナムとバングラデシュの農家のミクロ・パネルデータを用い,実証例が少ない農業を対象として集計生産性を分析し,開発途上国の食料政策に関する知見を得る。また,最新の生産関数の推定法により適切な生産性を得るとともに,部分識別による新たな推定法により妥当性を検証する。さらに,不十分な資源再配分が深刻な場合,農家モデルに関連する不完全市場の検証法により原因を追究する。
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研究実績の概要 |
開発途上国が経済発展を進める上では,農業の生産性の向上が重要な役割を果たす。近年の生産性分析では,生産者のミクロ・パネルデータに基づき,個別生産者の生産性だけではなく,国,地域,産業内の資源再配分(より生産性の高い者がより多くの生産を行う生産要素の配分)に注目した集計生産性の分析が進んでいる。本研究は,市場発展が進むベトナムとバングラデシュの農家のミクロ・パネルデータを用い,実証例が少ない農業を対象として集計生産性を分析し,開発途上国の食料政策に関して新たな知見を得る。また,近年改善が進む生産関数の最新の推定法をふまえ,より適切な生産性を計算する。さらに,不十分な資源再配分のために集計生産性が十分成長しない場合,農家モデルに関連する不完全市場の検証法により原因を追究する。 本年度は,両国における農業生産関数を推定する準備として,ベトナム資源アクセス家計調査とバングラデシュ統合家計調査のデータを入手・整理して予備的分析を行い,両国では零細規模の農家が多いなどの共通点がある一方,バングラデシュでは外部労働者を雇用する農家が多く,男性の農業労働時間が女性よりはるかに長いことなどの大きな違いもみられることがわかった。また,基礎的な推定法により生産関数の推定を行ったところ,両国について比較的妥当な結果が得られた。また,次年度以降の準備として,代表者と分担者で協力して,生産関数の推定法のレビュー,集計生産性の分析法のレビューを行い,これらに関する問題点を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベトナムとバングラデシュについて最低限必要なデータを入手でき,整理を行うことができた。また,次年度以降に向けて,予備的分析を行うとともに,文献調査を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は主に生産関数の推定,個別農家の生産性の分析,市場不完全性の検証を行う。代理変数法を粗生産関数の推定に適応させた推定法,システム一般化積率法などに基づき,コブ=ダグラス型の農業粗生産関数を推定する。推定結果の妥当性の確認後,個別農家の生産性を計算し,分布の特性や成長率等の分析を行う。また,農家モデルに基づく市場の不完全性の検証を行い,次年度に行う資源再配分の不十分性の要因分析に関する予備的分析を行う。
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