研究課題/領域番号 |
23K05413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
徳永 澄憲 麗澤大学, 国際学部, 教授 (10150624)
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研究分担者 |
池川 真里亜 麗澤大学, 経済学部, 准教授 (20786553)
國光 洋二 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 再雇用職員 (30360390)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 非関税障壁 / 動学世界CGEモデル / 農業食品産業の輸出振興 / 47都道府県間産業連関表 / 地域応用一般均衡モデル / 新貿易理論 / 動学世界応用一般均衡(CGE)モデル / 47都道府県空間CGEモデル / サプライチェーン |
研究開始時の研究の概要 |
食料・農業・農村基本計画では、2030年までに農林水産物・食品の輸出額を5兆円に引き上げる政策目標を掲げている。目標達成のため、FTAやEPA推進による関税削減が想定されるが、現在の世界各国の関税率は既に低水準にあり、関税よりむしろ非関税障壁の方が大きな貿易阻害要因であると言われている。そのため、現在の貿易政策の目標は非関税障壁の削減と経済安全保障面の強靱化に移行しつつある。本研究では、農業食品産業の非関税障壁に着目し、非関税障壁削減の効果を経済安全保障の観点からマクロ・地域・産業別に解明する点と世界動学CGEモデルと日本の空間CGEモデルを連携してサプライチェーンの変化を分析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、農業食品産業の非関税障壁に着目し、①非関税障壁の指標化、②新貿易理論にもとづく動学世界応用一般均衡(CGE)モデルによる政策分析、③世界CGEモデルの結果をもとに日本の47都道府県空間CGEモデルによる波及効果を分析し、④国内外のサプライチェーンを通じた輸出促進政策の評価と政策提言を目指す。特に、非関税障壁削減の効果を経済安全保障の観点からマクロ・地域・産業別に解明する点と世界動学CGEモデルと日本の空間CGEモデルを連携してサプライチェーンの変化を分析する。2023年度は世界CGEモデルに特化して、第1に、Kravchenko et al (2023)により計測されている非関税障壁の従価関税相当率を用いて日本との農産品貿易の大きい中国を含むアジア諸国との貿易を対象とし、第2に、資本ストックの生長を内生化した動学世界CGEモデルを用いて、輸出振興が国内生産を高め、ひいては国内の投資の拡大を通じて資本ストックの生長を加速化する効果を定量化し、第3に、最近の貿易状況を反映するため、GTAP 11の最新のデータベースを活用した。さらに、農水研からの委託プロジェクトにて構築した「日本の輸出拡大による地域経済への波及効果」に関する分析フレームを利用し、2011年の47都道府県間産業連関表のデータベースを新たに入手し、2015年の47都道府県別産業連関表データに差し替え作業を行った。次に、2015年の47都道府県間産業連関表を用いた「非関税障壁の撤廃」による地域経済波及効果を分析し、2023年度日本地域学会年次大会(2023/10/9)にて学会発表を行った。最後に、2015年の47都道府県間産業連関表をデータベースにした9地域間社会勘定表(SAM)を作成する準備を実施すると共に、9地域のマクロSAMを作成し、多地域CGEモデルを動学化(D9SCGEモデル)する際に「技術進歩の内生化」をどのように組み込むかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に研究が進んでいるが、各国の非関税障壁の指標によって本研究の結果が大きく異なることが2023年度の分析で分かったので、非関税障壁の従価関税相当率(AVE)の計測結果をもとにメタ分析を実施し、AVEに影響する要因を特定化し精緻な指標を推定する必要がある。さらに、世界CGEモデルと地域CGEモデルの分担者とのモデル分析上のコミュニケーションを図り、統合した研究成果を国際学会で報告すると共に、国際学会誌に研究成果を投稿する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
第1に,Kravchenko et al (2023)により計測されている非関税障壁の従価関税相当率を用いて,日本との農産品貿易の大きい中国を含むアジア諸国との貿易を対象とし、引き続き分析を進める。第2に,資本ストックの生長を内生化した動学世界CGEモデルを用いて,輸出振興が国内生産を高め,ひいては国内の投資の拡大を通じて資本ストックの生長を加速化する効果を定量化することの研究を進める,第3に,最近の貿易状況を反映するため,GTAP 11のデータベースを用いて分析を行う。次に、2015年の47都道府県間産業連関表を用いた「非関税障壁の撤廃」による地域経済波及効果を分析すると共に、2015年の47都道府県間産業連関表をデータベースにした9地域間社会勘定表(SAM)を作成し、9地域CGE(9SCGE)モデルを改定し、この9SCGEモデルを用いて「非関税障壁の撤廃」による地域経済への波及効果を計測する。
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