研究課題/領域番号 |
23K05417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
大西 千絵 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (60466638)
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研究分担者 |
馬場 研太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (10846736)
服部 明彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (30923487)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | LASTS / SAFA / 環境付加価値 / 有機 / 環境保全型農産物 / 評価法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の環境保全型農産物の適切な価値形成に寄与することが目的である。この目的を達成するため、環境保全型農産物の「環境付加価値」に着目し、これの構成要素を解明するとともに、新たな「環境付加価値」評価法を策定する。その際に日本より「環境付加価値」の評価が高いと考えられるフランスも取上げ、国際比較をすることにより、日本の特性や課題も明らかにする。
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研究実績の概要 |
LASTSとSAFAを援用した「環境付加価値」評価法を開発するために、日本とフランスの有機農業の地域づくりについて現地調査を行い、比較研究を行った。一つは宮崎県綾町、もう一つはフランス・コランス村である。両者の基本情報(人口、面積、林野面積、耕地面積、主な産業)、政策、有機農業の地域づくりの契機、新規就農者への対応、有機農業の成果、有機農産物の付加価値、両者の違いについて比較検討を行った。その結果、有機農業システムは綾町が進んでいる一方で、コランス村には経済性の視点が政策に組み込まれていることを明らかにした。また、両者とも観光に強みがあるが、コランス村は有機農業を観光に全面的に活用しているのに対し、綾町は観光客が農産物直売所に集まっているものの、地場の有機農産物を用いたレストランに乏しかった。 また、日本、フランスで有機栽培のワイン用ブドウを栽培しているワイナリーに対して調査を実施した。その結果、有機ワイナリーは、経済重視型(消費者ニーズ型)、品質重視型、環境重視型の3タイプに分類できることを明らかにした。 次年度は、SAFAを用いて綾町とコランス村両自治体を評価し、LASTSとSAFAを組み合わせた評価法のプロトタイプを作成するとともに、個々のワイナリーの環境付加価値評価法についても検討する。なお、SAFAが影響を受けたと考えられる(明記はされていないが、類似点が多い)Grenzら(2009)のRISEも参考に、評価項目を検討する。2024年度は、2023年度の成果について、32nd ICAE Conferenceにてポスター報告を行う。 なお、2023年度の研究推進にあたって、ボルドー大学のエリック・ジロー・エロー教授から助言をいただいた。ボルドー大学へ訪問する予定であったが、スケジュールが合わず、先延ばしになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は環境付加価値評価法の基となるデータ収集を行うことができた。2024年度は、得られたデータをもとに、LASTSとSAFAを援用した「環境付加価値」評価法のプロトタイプを作成する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に得られたデータをもとに、SAFAを用いて綾町とコランス村両自治体を評価するとともに、LASTSとSAFAを組み合わせた評価法のプロトタイプを作成する。さらに個々のワイナリーの環境付加価値評価法についても検討する。 なお、綾町とコランス村から得られたデータをそのままSAFAを援用して評価することは難しい。SAFAは評価項目が多く、2023年度の調査で得られたデータだけでは不足があるためである。現地調査では、自治体の長をはじめとする担当者らからできるだけ詳細な聞き取り実施したが、どうしても得られない情報があった。SAFAはFAOが開発した評価法であり、FAOが別途独自に入手した情報ももとにして評価している可能性がある。そこで、SAFAが影響を受けたと考えられる(明記はされていないが、類似点が多い)Grenzら(2009)のRISEも参考に、評価項目を検討する。再検討した評価項目とLASTSを組み合わせ、プロトタイプを作成する。
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