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ローカルな食の循環型経済による環境と経済の両立にむけた実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K05424
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41020:農業社会構造関連
研究機関横浜国立大学

研究代表者

池島 祥文  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (20607923)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード環境負荷 / 食の循環型経済 / サーキュラーエコノミー / 地域経済循環 / 地産地消 / 資源循環 / 取引ネットワーク / ライフサイクルアセスメント
研究開始時の研究の概要

農業や食料による環境負荷低減と経済成長の両立は国際的な課題であり、資源の有効利用を目指す「食のサーキュラーエコノミー(循環型経済)」への期待は高まっているものの、空間的視点のある循環性の測定手法は確立されておらず、地域で実践される食の循環型経済の効果を示すデータは欠如している。
本研究では、より具体的なモノやカネが地域で循環する経路をトレースした評価手法を開発し、ローカルな食の循環型経済の効果測定に取り組むことを目的とする。

研究実績の概要

ローカルな食の循環型経済による環境と経済の両立に関する研究を進めるために、2023年度は、以下の取り組みを行った。

第一に、循環型経済の先進地とされるオランダ・アムステルダムでの各種取り組みをもとに、ローカルな食や地域農業に焦点をあてて、循環の具体的内実を整理しながら、循環性を測定するために必要な視点を整理した。また、食や農業が直面する環境面の課題について、温室効果ガス排出を中心に整理するとともに、そこから地域で実践可能な環境保全対策を抽出する作業を進めた。その結果、生産前段階(資材生産)、生産段階、生産後段階(加工、流通)において、生産段階で一番大きな環境負荷が生じているという先行研究の成果が確認された。しかし、農産物生産において生産段階は回避することできないため、対象範囲の選定をどのようにすべきかという課題が発生した。
第二に、食の循環経路のうち、先行研究でも取り上げられていない食料小売店舗から消費地までの最終段階に対する輸送・移動を対象に、農産物を目的として小売店舗を訪れる消費者への調査を実施し、買物における移動手段や位置情報を含むFromToデータの収集を進めた。こうしたデータから流通から消費までのネットワークデータを作成した。
第三に、以前の科研費課題での成果を活用して、企業間取引データを用いた地域経済への経済波及過程を示すデータセットの構築、および、データ解析から、対象企業の取引構造に伴う地域内への支出額を測定した。対象企業は連鎖的な取引のうち、より上位の階層において地域企業との取引があると地域内への支出額が増える傾向にある点が見出された。こうした取引の連鎖関係をもとに、災害復興時における被災地産業の取引数の変化を検討する際にも応用した。取引連鎖が広範にわたるサプライチェーン型と比較的限定的な地域産業型とを比較し、サプライチェーン型のほうが回復しやすい点が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

食の循環型経済における環境負荷に関するデータ収集が想定以上に難航したため、研究計画としては遅れている。その要因としては、分析対象にしようとしていた地域での食、地域農業において、そのデータ収集すべき対象範囲が広く、具体的な対象の選定に時間がかかったことやデータ収集のための調査設計に試行錯誤が必要だったことが挙げられる。

今後の研究の推進方策

食の循環型経済を分析するに際して、計画当初は地域で生産される農産物とその加工品を対象として想定していたが、生産面での環境負荷が大きいとしても、生産を回避することはできないこともあり、分析対象を生産後段階、とくに、消費者の買物段階に伴う移動・輸送面に焦点をあてて試行する予定である。
また、同時に、食品ロスのような消費面での対策が循環型経済にも大きく影響する点を踏まえ、食品ロスも対象に含められるか検討する。収集した調査データをそのまま環境負荷測定に活用できない可能性も視野にいれて、データ収集・解析を試行的に進め、最適な対応を整理できるように試みる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 循環型経済の展開と循環性の追跡2023

    • 著者名/発表者名
      池島祥文、清水翼、南條美乃里、田島和佳
    • 学会等名
      Circular Yokohama「アムステルダム・サーキュラーエコノミー視察報告会」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] レジリエンス社会と地域経済の防災・復興2023

    • 著者名/発表者名
      池島祥文
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] How can we measure economic ripple effects in a regional economy using Hierarchical Interfirm Trading Network dataset?2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi IKEJIMA and Haruhisa FUJIMOTO
    • 学会等名
      Regional Studies Association Annual Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 食からの脱炭素にむけて2023

    • 著者名/発表者名
      池島祥文
    • 学会等名
      よこはまカーボンニュートラル事業創発ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] サプライチェーン型産業と地域型産業のレジリエンス2023

    • 著者名/発表者名
      池島祥文
    • 学会等名
      日本地域経済学会2023年度全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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