研究課題/領域番号 |
23K05426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
徳田 博美 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20346000)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 果樹産地 / 産地組織 / 農協共販 / 社会経済構造変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、産地は、単一の組織のみによって成り立っているのではなく、多様な組織が有機的につながることで多様な機能を果たしており、そのことによって地域に高い市場競争力を形成しているととらえ、農業者の高齢化、減少、流通チャネルの多様化など産地内外での社会経済構造が変化している中での産地の組織構造と機能を、これまでの産地研究でも主な分析対象であった果樹産地における産地に関わる多様な組織と生産者の実態調査から明らかにする。
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研究実績の概要 |
果樹産地の農業構造変動の現状を確認するため,農業センサスで主要な柑橘産地を対象に農業構造分析を行った。そこで明らかになった点は,①いずれの産地も農業経営体が大幅に減少している,②大規模経営体の形成は微弱であるが,従来の優等産地とされていた産地では大規模経営体の形成がある程度みられ,瀬戸内島しょ部の産地ではほとんどみられず,平均経営耕地面積が減少している産地もある,③個別経営体では経営耕地面積が大きくなるほど,二世代家族経営の比率が高まっており,家族労働力が充実していることが中核的な担い手の重要な要件となっていることが示唆されている,④雇用労働力も経営耕地面積が大きくなるほど増加しているが,産地の衰退が顕著な瀬戸内島しょ部では経営面積が大きくなっても雇用労働力の増加はみられない,などである。 産地の衰退が顕著な瀬戸内島しょ部の柑橘産地の中で,広島県呉市大長と愛媛県松山市中島で現地調査を行った。大長では,これまで規模拡大があまり進展せず,後継者が確保できない中で,農業者の高齢化により農家の減少と荒廃果樹園の拡大が加速しているが,中島では獣害の深刻化で山間部の果樹園が放棄される一方で,平坦部の果樹園で施設化も図りながら,高単価の品目に転換することで収益の確保が図られていた。厳しい産地条件の中でも,産地の特性に応じた産地展開が図られている場合があることが確認できた。 青森県津軽地域のリンゴ産地では,新たな樹形を導入し,大規模経営の形成を目指している農外参入企業のヒヤリング調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
農業センサス分析では,現段階の柑橘産地の農業構造を確認でき,実態調査に向けた準備作業として,果樹農業構造の現状や産地の位置づけを整理できた。果樹産地の実態調査の実施はやや遅れているが,次年度に実施すれば問題ない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,愛媛県松山市中島の農家調査を実施するとともに,本研究の主要な調査対象地である静岡県浜松市三ケ日,愛媛県八幡浜市,青森県弘前市での実態調査を実施し,産地の社会経済条件,市場条件に応じた産地システムの基本的枠組みを構築する。
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