研究課題
基盤研究(C)
本研究は、戦後の占領下に実施された農地改革によって農地を買収された地主達が全国各地で起こした地主運動の歴史的経過と、それが最終的に1965年の農地報償法に結実することの意義について考察する。この運動は、これまでほとんど研究されてこなかった。本研究は、この運動の重要な一角を占めた仏教界の運動を含めて、その実態を明らかにし、それらの運動がこれまで言われてきたような「反動的」なものではなく、多数の零細な旧地主たちの生活に根差した切実な運動であったことと合わせて、農地改革そのものがこれら地主達に犠牲を強いたものであったという「真実の姿」を明らかにする。