研究課題/領域番号 |
23K05439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
橋本 洋平 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436899)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 燃焼灰 / 重金属類 |
研究開始時の研究の概要 |
カリウムなどの肥料成分に富む木質燃焼灰は、化学肥料の代替として実用化に必要な基礎研究が進むことによって、バイオマスエネルギー利用の推進と、国産肥料の開発・供給を両立する貴重な資源になり得る。資源としての優れた特性を有するにも関わらず、木質燃焼灰に含有する「栄養元素の肥料効果の不確実性」と、「重金属に関する情報の欠如」が要因となって、肥料として活用されずに、ほとんどが廃棄物として処分されている。本研究では、①木質燃焼灰に含まれる栄養・有害元素の溶解性の機構を、化学形態の観点から明らかにし、②燃焼過程や肥料化に必要な酸性中和処理が、元素の溶解性や化学形態に及ぼす影響を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
建築廃材や間伐材を燃料とする木質バイオマス発電では、カリウムなどの肥料成分に富む 木質燃焼灰が発生する。木質燃焼灰は、化学肥料の代替資源として活用できる可能性が高く、その積極的な利用は、バイオマスエネルギー利用の推進と地域資源の最大活用を喫緊の課題とする農政の方針と合致している。世界情勢の混迷による肥料資源の高騰に鑑みると、木質燃焼灰の未利用資源を活用し、「国産」肥料を開発することの必要性が浮き彫りになる。しかし、年間50万トン発生する国内の木質燃焼灰の殆どが、産業廃棄物として処分されている。肥料としての活用が進まない要因には、木質燃焼灰に含まれる「植物栄養元素の肥料効果が未解明」であること、ならびに「重金属に関する情報が欠如」している点が挙げられる。本研究では、木質燃焼灰に含まれる栄養・有害元素の溶解性の機構を化学形態の観点から明らかにし、種類や元素組成が異なる複数の木質バイオマスおよび燃焼灰に対して、処理温度および中和処理が元素の溶解性や化学形態に及ぼす影響を検証することを目的とする。今年度は入手した木質燃焼飛灰を希釈した硫酸で処理し(酸中和処理)、主要成分であるカリウムの溶解性と化学形態を中心に分析を実施した。入手した燃焼灰は、原料として杉とおがくずを用いていた。燃焼灰に規定量の硫酸を添加し、pHが7付近になるように調整した試料を分析に用いた。硫酸処理した飛灰の水溶性カリウムは,硫酸の添加量が10%から50%に増加するにつれて、15%程度減少した。XRD の結果,未処理の飛灰に含まれるカリウムの化学種は主にK2SO4 であることが分かり、硫酸処理することでK2Ca(SO4)2・H2O(シンゲナイト)に変化したことが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の通り実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
燃焼灰に含まれる他の元素、特にカルシウムとケイ素を中心に分析を進める。並行して重金属類の分析も進めていく。
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